悪口

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「悪口」
まだ暑いなあ。大勢のとしよりが熱中症で死んでいるので、テレビでは、「今までの夏とはちがうと思ってくださいよ」などとゆうているけど、地球が地獄に変わったと思うほうがええのやないか(長生きしても、末路は熱に焼かれるか野垂れ死にかや。ビンボーな家からは孝行息子が出るはずなんやけどなあ。昔成金になったのが悪かったか)。
ところで、仏教では、暑い地獄は罪の深さで8ステージあるそうや。「灼熱」とゆう名前はないそうやけど、「焦熱地獄」なら、その上にまだ2、3ある。
そこは、「暑い」より「熱い」やから、火であぶられるフライパンの上にいるようなもんやろ(誰がこんなこと考えたんかしらんけど、昔から人間は暑いのがいややったんやろな)。
とにかく、これから何千年、何万年と地獄めぐりが続く。
落語の「地獄八景(じごくばっけい)は、みんなでわいわい地獄を観光するけど、この地獄めぐりは、見るもんもないし、油断していたらバケツに入った炎をかけられるのが落ちや。
そして、渋谷のギャルみたいに、だれかれかまわず、「カミ」か「ゴミ」かに分けることしかせえへん。敵か敵の敵かや。
そして、恐れていた野次が飛んでくる。「昭和生まれのくせに」。
今は、まだ平成生まれが一人前になってへんから、履歴書には西暦を一番前に出したりして、目立たんようにしているけど、社会の屋台骨を支えるようになるとそうはいかん。
せやけど、ぼくらの世代はぼつぼつゆわれている。この前ネットを見ていたら、「団塊じじいのビンボー自慢、バブル自慢には我慢でけん」と出ていた(石川遼は、勝っても負けてテレビにインタビューが出るけど、平成生まれ最高の稼ぎ頭(トヨタやパナソニックなど20社近くとスポンサー契約をしていて、30億になるらしい)にヨイショをしておいて、「昭和生れ」を邪険にさせんようにする魂胆があるのとちがうか。
まあ、ぼくらも、明治や大正生れをからこうてきたもんなあ。やったことはやられるのは世の習いや。
まだ生れてきてへんもんに、「昭和生まれのくせに」とゆわれて、「日本の近代化の基礎を作った時代や」と答えても、「あほくさ」と思われるぐらいやろけど、昭和40年代、50年代に生れた人は、そんなことに負けずにがんばってほしいもんや。
その頃はぼくはいてへんやろけど、確かにある程度の年になると、自分の年をゆうのは気合いがいる。
若い頃、バイト先なんかで、「年なんぼや」と聞かれると、「21です」などと胸を張って答えると、「若いなあ。人生これからやなあ」とうらやましがられたもんやけど、最近、「若いカッコしてますね。おいくつですか」と若いやつに聞かれると、「えっ、ぼくか?だいぶいっているで。きみらの親よりだいぶ年や。61や」としどろもどろになる。
やっぱり恥ずかしいのやろな。せやけど、そんなこと思うているときやない。
今は、世界が、地球が火の車や。家が火の車なら、「おじいさんも新聞配達でもするわ」ゆうてお金を入れるもんや。
今こそ世界の昭和生まれが協力するときやないか。悪口なんかゆうてるときやない。
明治生まれ、大正生まれの尻ぬぐいをしたら、昭和生まれが自慢になるかもわからん。
ともかく、何千年先はわからんけど、今は、たとえ地球がほんまに燃えても、だあれもどっこも行かれへんのやから。

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