第一村人発見

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「第一村人発見」
「こんにちは。今何をされているんですか」
画面には大きなキャベツみたいなもんが映っている。しばらくすると、それがおもむろにこっちを向く。どうやら姉さんかぶりをしたばあさんのようや。
「こんにちは。今なにをしているんですか」ともう一度大きな声で聞くと、「おらか。今草取りをしているっちゃ」とゆいながら、よっこらしょと腰を伸ばしつつこっちへくる。
「誰かと思うたが誰かね?」
「東京から来ました。ここの名物を教えてください」と続く。おなじみの「ダーツの旅」や。
その村の勧進元(村長や村役場など)やメインの「名物」のところには前もって連絡が行っているやろけど、「第一村人発見!」となるまでは時間がかかるやろな(どこの市町村も、大河ドラマや「のど自慢」にラブコールを送っているそうやけど、これで村の名前が売れたらもうけもんや)。
せやけど、あれ相当時間をかけているで。田舎の人間は、知らんもんには抵抗があるし、相手をしても、おもしろくもなんともない場合が多いからな。
その上、若い村人はどんどんいなくなるし、高速道路無料化で車も少のうなった。
もちろん、「どこへ行かれるんですか?」、「息子と喧嘩して出ていくところじゃ。わしゃ、もうここへは帰らんつもりじゃ」ゆうて、杖突いてヨタヨタ歩いていくじいさんに出会うことはない。
ましてや、ジイサンヲ追いかけて、「私たちが、息子さんにお話しましょうか?」とゆうと、「うんにゃ。孫が大学に行きたいらしいが、みんなわしの顔を見るので、わしが行方不明になるのが一番ええんじゃ」となることはさらにない(おい!ハイエナ息子、使うた年金は4割増しで返さんとあかんのやで)。
せやから、「第一村人発見!」ゆうのは、テレビ側の誰かが思わず叫んだ言葉やないか。
この番組が人気のある理由は、行方不明になってへん100才が楽しく生きているのが見られることやないか。自分もああなりたいのや(「警察24時」に警察が全面的に協力しているように、「ダーツの旅」も、総務省かどこかがかんでいるのやろか)。
♪ハァ 車も無エ 仕事も無エ 結婚の見込みも無エ♪
♪俺らこんな国いやだ 俺らこんな国いやだ♪ゆうのがあるからな。
ところで、テレビ局の人間から出た「第一村人発見!」は、ええ「掴み」になっている。
これに対抗できるのは、「いい旅夢気分」で、大和田伸也がゆう「これは期待できそうです」しかない。
新宿かどこかで、女優二人が待ちあわせして、「今日はどこへ連れていってくれるの?」
「あなたには日頃からお世話になっているから、すばらしい風景を見ながら、おいしい料理がいただける温泉にご招待するわ」、「うれしい!」
ここで、「これは期待できそうです」となる(女優にはギャラも出るのやろな)。
そうや、ニュースでもあった。「ごらんください。増水した川を流れている人がいます」、「ごらんください。ものすごい血です。まだあったかいです」
ぼくらは、どこどこと探すわけやけど、テレビでは、ここがうまくいけばかなり成功すると思う。
人は確かに裏切る。ぼくもそうしてきたような気がする(いや、してきました)。
ここは、お互い事情があるからしゃあないと思うて、誤解で裏切られたり、裏切ったりすることは不幸やから、まずは「掴み」で、自分を見てもらう努力をするこっちゃ。
所ジョージも、熱中症になったそうやから気をつけよう。

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