スーパーにて(2)

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「スーパーにて」(2)
うちのスタッフから聞いたけど、「夜は淋しいわ。女のあなたならわかるでしょう?」と、老人施設に入居している90過ぎの女性からゆわれたことがあるとのことや。
「女は、灰になるまで・・・」とかゆうけど、それは生命力の発露ちゅうもんやから当たり前のことや。
男でも、なんぼ年を取っても、「このねーちゃん、どんな裸をしているのやろ」と思うけど、輩(やから)とゆわれているもんでも、一人になると、「借りてきたオス猫」になる。
そうなら、前から知りたかったことがあるけど(よう知りたがるやつやてか)、総理大臣や大統領が、夫婦ともども外国に行くことがあるやろ。
飛行機のタラップで、にこやかに手を振るのはええのやけど、主人である総理大臣なり大統領に、政策のことなどで、思いあまって、自分の意見をゆうことはないのやろかとゆうことや。
日本の総理大臣の居間で、「後期高齢者医療制度」とか「ガソリンの暫定税率」の問題などについて、「あのさー・・・」と、夫に、自分の意見をゆうことはないのか(あの上品そうな奥さんが、女子高校生のような言葉は使わへんやろけど)。
また、アメリカの大統領のベッドルームで、小学校の教師をしていたとゆう嫁はんが、イラクで、自分の教え子ぐらいの若者がどんどん死んでいくことについて、「ヘイ、ダーリン・・・」と、夫に思いとどまらせることはなかったのか(「やったれ」と同じ意見やったらしゃあないけど)。
逆にクリントンは、昔の罪滅ぼしか、嫁はんのために甲斐甲斐しく走りまわっている。
選挙のときは、「お訴えさせていただきます」(日本語で一番醜悪な言葉や)と叫ぶ夫の横で、「主人を男にしてやってください!」とか「仕事をさせてやってください!」と涙声でゆうことはあるし、当選すると、バンザイの横で、頭を下げている。
その点、フランス大統領の前の嫁はんはえらい。「そんな仕事まっぴらごめん」ゆうて、一切ついていかへんかった(そのくせ、国のクレジットカードは、ばんばん使うていた)。
政治とゆう仕事と家庭は別物とゆうことやろけど(確かに分別ある人間は、家庭に、仕事とセックスを持ちこまないものやけど)、夫を認めているとゆうことや。
それが、どこかで崩れるときがある。
王理恵の婚約解消事件があったやろ。相手がそばを食うときのズルズル音が、「豪快だわ」と思えていたのが、鼻をかむ音に聞こえるようになる(それも、粘っこいやつ)。
つれあいが、衆人環視の中で、あくびを隠しもせず最後までやっても、「別に、ぼく、自分で総理大臣になりたいと思ったことないもん」と子供ぽかっても、「世の中、石油でっせ」とゆう人生哲学を持っていても、許容範囲ならなんともない。
ガソリンのような危険物には、引火点と発火点がある。夫婦を含めて、人間関係にも、その二つがあるのやろ。勝手に燃える発火はそう心配せんでも、相手の言動で燃える引火点には気をつけなくてはな(ガソリンの引火点は-40度、発火点は300度)。
引火点になっていても、ていねいに扱っていたら大丈夫やけど、恐いのは静電気や。
心に密かにためているものや。
「ほっといたら、たいへんなことになりますよ」

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