おん かかか びさんまぇい そわか

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「おん かかか びさんまぇい そわか」
闘病中の大島渚と野坂昭如は嫁はんが懸命に介護していることをゆうた。それにひきかえ、山城新伍はどうなったんやろ。
嫁はんにきらわれるのは造作ない。長年嫁はんのプライドを傷つけたら、「深くて暗い河」ができる。
しかし、ここまでなるのはなかなかのもんや。普通は世間体がある。「世間体なんか気にするな」とかゆうけど、「やばい」と観念しても世間体が味方してくれる。嫁はんが、「他人が何ゆうかわからん。少しシンボーしとこか」と思うんや(これは、あらゆる人間関係でもそうや)。
しかし、山城の場合、娘との関係がなあ。生きている間に娘に縁切られるとはなんてかわいそうな父親やと最高裁裁判長の閻魔せんでも同情するで(「待てよ、そんなことをされるようなことをしてきたのか」と再調査されるかもしれんけど)。
原因は山城の浮気とゆわれているけど、つまみ食いするだけや。
大阪・ナンバのサウスタワーホテル(今はスイスホテルか)の25階のラウンジでよう見た。いつもホステスや女子大生のような若い女を4,5人連れて個室に入っていった。
二股ソケットの発明から世界企業を作った電気王や、インスタントラーメンを作った食品王、ブルドーザーとゆわれた総理大臣などは、外の子供にでもものすごい遺産を残したそうや(世が世なら殿さんの総理大臣も、ホステスと別れるときは500万円と決まっていた)。
また、松竹新喜劇の渋谷天外(今の天外の父親)が倒れたとき、5人の女の名前を呼んだそうや(これは、息子の天外が確認したのでまちがいがない)。
林家三平も女ぐせが有名で、全然帰ってこん三平が女と手をつないで歩いているのを嫁はんがよう見たそうや。
山城は、そうゆうタイプじゃなかったんやな(「東映の女優とは全部やった。ただし、藤純子には手を出さんかった。父親がヤクザ映画の総帥やからな」とようゆうていた)
しかも、性格がものすぐ粘着質や。テレビに来て、飛ぶ鳥落す勢いのとき、女性レポーターに、「ところで、きみの乳首何色?」とやった(テレビ局は、視聴率男に何もいわなかった)。もちろんそのレポーターは次から出てこんようになった。
ぼくの会社の女子社員の話では、以前日本一大きなクリーニング会社にいたとき、山城が、嫁はんの毛皮にシミがついたとクレームをつけてきたそうや。
「おまえんとこ上場会社やろ?どうしてくれるんや」とたいへんやったらしい。
人をおいつめる性格の人間は、自分に何かゆわれると、人格を全否定されるように思うもんや。
ぼくは、山城とはえんもゆかりもないし、あんなスポットライトを浴びたこともないけど、なんか似ているところがある。
この世の地獄に落ちても自業自得やけど、そのときは嫁はんに三行半をつきつけられるもんやけど、娘が愛想でも言葉をかけてくれるもんや。娘の親友に手を出したとかなんとかゆわれているけど、閻魔さんに、ゆっくり話を聞いてもらったらええ。
お地蔵さんには、「おん かかか びさんまえぃ そわか」を三回唱えてお願いする(自分の名前や年もな。数え年かどうかはしらんで)。
「かかか」が地蔵菩薩の本名なんやて(「ええ名前の地蔵菩薩さん、お願いします」とゆうことや。ところで、如来や菩薩は、みんなお釈迦さんのいろんな姿をあらわしているんやてな)。
自分の娘には、そうゆう気持ちで接することやな(しょうもないことを考えても踏みとどまることができるかもわからん)。
「かか」はあかんでも、「かかか」は助けてくれるちゅうこっちゃ。
なんやて?娘がいないから、よその娘はんでもええかてか。勝手にせい。
ぼくは、今から、結婚して東京で暮らしている長女と梅田のビアガーデンで飲んでくるから。

 -