耳そうじ(2)

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「耳そうじ」(2)
「ストレスがたまる」ゆうのは、星もない夜中、一人道に迷って、さてどうしたもんやろ、どこへ行ったらええもんやらわからなくなって、心細うなることやと思う。
ぼくも、朝起きたら、ものすごう耳の中がかゆくなる(春先は、耳だけでなく、目もかゆくなるし、くしゃみも4,5回出る)。つまり、部屋の電気をつけると、世の中が暗くなるのやな。何はさておき、かゆい耳をそうじすると、反対の耳もかゆくなる。
事業が順調な時は、こんなことはなかった。多分、今の自分の精神状態をあらわしているのやろな。前にもゆうたように、若い頃は、「チックの宝石箱や~」やったから、今、しょっちゅう耳かきをするぐらいなんでもないと思うていた。せやけど、ときどきは、「こんなんやめよう。もう60なんやから」と、したくなっても我慢することもある。しばらくすると、かゆいのがなくなる、いや忘れる、か(若い時こんなことは、これで最後にしようと自責の念に駆られる、あの「悪癖」のようやな)。
カミングアウトしたところで、冷静に考えると、「耳そうじビジネス」がブームゆうことは、耳がかゆくなる人が多いゆうことやな。ストレス社会の象徴の一つか。
いらいらを、弱いもんにぶちける「いじめ」といっしょで、それが、自分の耳に向う。そのうちに、耳のほうが、気ぃきかして、自分でかゆくなってくれる(いらいらして、他人の耳をそうじしたくなるのやったら、「耳そうじビジネス」をはじめたらええ。そんなんおるか)。しかも、大きいのが出たときの達成感、充実感は、大きい魚を釣ったときのようや。それが、ストレス解消になって、一日が調子よかったら、何よりや(耳垢でも、ウンコでも、「大きなのが出た」と人に自慢するもんがいる。中には、見せるもんがいるんやて)。せやけど、毎日していたら、耳垢ゆうより、引っかいた皮膚が出るだけやろ。
もっとスマートな人は、物が壊れんようにする「プチプチ」をプチプチつぶすもんもいる(最近は、ストレス解消専用の「プチプチ」もあるらしい。与謝野鉄幹は、いらいらすると、庭のアリをつぶしたらしいけど)。
また、無意識にちがうことをするもんもいる。ぼくの隣の家からは、朝晩、ギーンとゆうような音がする。まるで象の鳴き声や。1キロ四方には鳴りひびいている。多分、鼻をかむ音やろけど、他人事ながら鼓膜破れへんかと心配する。
大手電気会社に勤めている40代のサラリーマンで、転勤が多うそうや。1年で、またどっかへ行ったけど、ストレスがたまっているのやろな。
とにかく、いらいらしても、「耳そうじ」なんかせんと、スマートに生きたいもんや。
楽天的な性格のほうが、長生きできるゆう調査結果が出ている。しかし、ストレスには、ええストレスと、悪いストレスがあるゆう学者もいる。ええストレスがないと、充実した人生を送れんらしい。コレステロールも、善玉と悪玉があるように、か(それやったら、中性脂肪も、善玉と悪玉があったらええけどな)。次回は、ストレスがたまらんようにするスマートな方法を考えようか。

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