マンション管理人(2)

      2016/12/15

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「マンション管理人」(2)
米騒動のときはたいへんやったやろとゆうような大きな家の当主でも、売れるものなら売ってしまって、都会のマンションに住みたいとゆう希望があるらしい。せやけど、古い家では、先祖という存在がいて、なかなかふみきれへん。
大相撲は、外人だらけやけど(だから、いろんな外人がいる)、2,30年前は、トンガやモンゴルから入門しても、ホームシックで逃げかえった。何にもないところへ急いで帰らんでも思うていたけど、「生まれたところ」は、「遠くにありて思うもの」どころやないのやな。
それでも、若いもんが帰ってこんのやったら、部屋数が20もあるような家に、としより夫婦だけで住めんゆうことで、思いきって都会のマンションに入った人もいるやろ。
なんやかやゆうても都会はこの世の天国や。何でもあるし、高層マンションからの夜景ほどきれいなもんはない。
しかも、昔は、ペットが飼えるぐらいの「差別化」しかなかったが、今は、付加価値マンション、高機能マンションゆうて、マンションが地震予知をするとか、病院一体化のマンションとか便利になってきた(たまにエレベータが止まるぐらい辛抱せな)。
逆に外から、そんなマンションに行くと、何や気を使う。ロックを解除してもらって、小そうなって歩いていると、「こんにちわ」、「暑いですね」と挨拶されることがある。
外国で、日本人に会ったようで、ここの住民ではないのに挨拶してもらってすみませんと思いながらも、うれしくなって言葉を返す。
ところが、先日テレビを見ていたら、挨拶が、防犯上一番よいとゆうことで、ニュータウンなどは、町ぐるみでやっているらしい。
つまり、「こんにちは」を訳せば、「あんた、ドロボーちゃうやろな。しっかり顔おぼえているで」ゆうことやろか(部外者が何をゆうねん。もし何かあったら、不動産価値が下がるやろとゆわれるやろな)。
ぼくは、てっきりサッチモの「この素晴らしき世界」の中に出てくるような雰囲気に浸っていた。やっぱり高いマンションを買う人はちがうなあと思うていた(去年、久しぶりに長野県のペンションに行ったけど、だあれも挨拶せえへん。ホールで食事しても、シーンとしている。昔は、そんなことなかったのやけどなあ)。都会生活は、まわりのもんにも警戒するのが基本なんやな。
先日、そのマンションの掲示板に、こんな張り紙があった。
「×月×日午後3時ごろ、敷地の庭に、タバコの吸殻がすててありました。
住民の方か外部の者か知りませんが、ポイ捨ては、社会人として許されるものではありませんし、健康にも悪いといわれています。以後気をつけてください」
その2,3日後にもあった。
「×月×日午前11時頃、×××号室の前の廊下に、痰がはかれていました。
通報ですぐ掃除しましたが、3時間ほど、そのままだったようです。この間(かん)、それを見た人は、さぞ嫌な思いをされたことでしょう。
だれがこんなことをしたか知りませんが、今後、絶対人の迷惑になることをしないでください」
それを書いたのは、もちろん管理人や。

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