替刃

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「替刃」
昔の人は、「何はなくとも江戸むらさき」とゆうたもんや。
金がないのはお互いさまやけど、病気してへんことほどラッキーなことはないと、無理でも思うたほうがええで。
大病や一生続く病気などにかかったら、グロスで一財産はいる。
ぼくも、自分の不運を恨むことが多いけど、医者から糖尿病にはならへんやろとゆわれているのが何よりうれしい。
そして、ここだけの話、自分の運命が、髪の毛が薄くならず、白髪が増えるほうやったのもよかった(父親は、ぼくが物心ついたときから禿げていたし、弟も、40代で惨めなことになっている。遺伝的なことは「阿弥陀くじ」みたいなところがあるけど、ぼくが「気にする性分」やから、神さんが気を利かしてくれたんやろか)。
頭が薄くても髭は一生同じ量だけ伸びる。せやから、髭剃り道具のことは、誰でも一生ついてまわる。
ぼくは、どうも電気シェーバーが苦手や。揉みあげがまっすぐいかへんし、何より剃った気がせえへん。
電気屋へ行ったときにたまに見るけど、ブラウン、フイリップス、パナソニック(ネーミングで失敗したと思うけど)と新製品が並んでいる。
水洗いができる、深剃りができる、何とかモーターやなどといろいろ書いてあるけど、みんな高いわ(中には、「メーカーもん」やないけど、1000円ぐらいのんがある。あれは、ちゃんと剃れるんやろか)。
それで、安全かみそりを使うているけど、これもどんどん新製品が出る。3枚刃、4枚刃となって、今は、5枚刃やて。しかも、刃が動くとかチタニウム製とか、メーカーもたいへんや。
電気シェーバーはともかく、安全かみそりの新しい刃を試そうとしても、ホルダーゆう「鎌の取っ手」が合わへん(中には、おんなじメーカーやのに入らへん)。
そのくせ、渋谷や梅田でホルダーをただで配ることがある(ヤフーbbのADSLよりは被害がない。少なくとも5,6回はただで使えるけど、ADSLは合わんかったらえらい目に会う)。
もしどんな替刃でも使えるアジャスターを作って売ったら、まちがいなく訴えられるやろな。
いわゆる「差別化」は大事やけど、これは、文字通り両刃の剣や。
人は、自分の生活には保守的なもんや。あんまり新しいもんを入れたくたいところがある。
もし、枕が変わらんと寝られへんゆうもんがいたらたいへんや。高うついてたまらん。
せやから、どこの電球でも合うソケットの規格のように、パソコンでもUSBなんかができたんやろ。
せやけど、パチモンは、「永久に不滅」や。
以前、台湾に行ったとき、犬のうんこ踏んだんとちがうか思うぐらいの「臭豆腐」のにおいがただよう士林夜市(スーリンヤーシー)で、ナイキのマークがまっすぐな靴がどさっと売られていた。
香港のぺニンシュラホテルの裏には、怪しいおっさんが、「ほんとのニセモンあるよ」ゆうてロレックスを売っている。
中国では、北京オリンピックのとき、国上げて、ディズニーランドのパチモンを作っていたやろ。
以前から、YAMAHAをYAMAZAとかにしてオートバイを売っているから、パチモンを作る技術はたいしたもんや(日本でも、戦後すぐ「made in USA」は、「ウサ」ゆう会社で作ったゆうのがあったらしいから、あこがれのもんは作る価値があるんや)。
シャネルやエルメスは、ラブホや喫茶店なんかが、自分とこの名前をつけてへんか必死や。
イメージを守るためやろけど、バーバリーは案外のんびりしている。
あのデザインは日本人が好きなようで、としよりが杖代わりにしているバギーは、ほとんどこのデザインや。
ほんまにブランドもんが好きなもんは、安いのんは買わんはずや。
だますやつはつかまえんとあかんけど、わかって使うもんはそれでええのんとちがう。
ところで、髭剃りもそうやけど、最初は、こんなええ髭剃りはない、ええのん見つけた、ようこんなん作ってくれたとうれしくなるけど、だんだんなんやこれと思うことないか。
誰でも、自分の目利きを自分でほめたいんやけど(何ヶ月も悩んだもんほどそうや)、とうとう辛抱が切れるときが来る。
そうなると、どこかええもん出してへんやろかと次を探す。
オバマ大統領の就任式を見ていて、何や知らんけど、そんなこと思うた。

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