組織

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復活ノート

「組織」
気の毒なことに新卒の就職口が減っています。私たち団塊の世代の時代は、社会に出るのは敗北だというような青くさい思いがありました。
しかし、いったん企業に勤めると、心ではこれで一人前の社会人になれたと安心したものです。
人生の夢を持てない青年が大勢いるのはほんとに気の毒です。
先日、テレビで韓国の就職事情を報告していましたが、日本以上に厳しそうです。
新卒の半分ぐらいしか正規雇用の口がありません。しかも、大学に行っている間に、「スペック」といって、大学の成績だけでなく、留学経験、特技などで、その人の得点がつけられるのです。
つまり、どこの企業も「少数精鋭」でこの不況を乗りこえようとしているのですが、その組織への後遺症は残るはずです。その傷をどう癒すかがこれからの企業経営の大きな課題となってくるでしょう。
大体、学問などの一つの面で優秀な社員だけを集めて、その企業はうまくいくのでしょう。
以前、私は、経営者(特に中小企業の)が組織をどう束ねていくかが、事業を成功に導くか、あるいは頓挫するかの分かれ目になるといいました。
私自身のまわりを見ても、10人程度の社員しか束ねられない経営者が、会社が大きくなって、互いの意思の疎通ができなくなって、社員の「やる気」を引きだせないケースを知っています。
これには、経営者の任=能力が大きく左右していますが、それなら、自分の任を補うためにどうするか考えることが大事です。
以前、私の義父に、「おまえは、女をたくさん雇っているらしいなあ。女はケンカばかりしているやろ」と言われたことがあります。
そのときは、うまくいっていたのですが、事業内容があやしくなってくると、義父の話を思いだすこともでてきました。
今の仕事でも、自分の意見を遠慮なく出すのは、女性の客のほうが多いですが、それは女性が、社会的にも、家庭的にも押さえつけられてきた歴史も考える必要があると思います。
なんだかボーヴォワールの「第二の性」みたいになってしまいましたが、それなら、私のほうが、女性のパワーを引きだす組織を作りだすべきだったのです(しかも、「女の敵」のようなこともしましたから)。
組織論といえば、なんだかむずかしそうですが、結局は、人間関係の延長にあると思います。
大企業から派遣の仕事を取りあげられた労働者のことは、毎日のようにマスコミで見聞きしますが、「一生懸命働いていたのに。なぜ数ヶ月待ってくれないのか」ということです(派遣会社も、大企業と契約をしていたはずなのに、簡単に反故にされたのです)。
夫婦でも親子でも人間関係です。言葉と態度を使って、家庭で「組織の長」としての訓練をしましょう。