再生サービス2

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復活ノート

「再生サービス」(2)
昔、会社をしているとき、経営コンサルタントして来てもらっている人がいました。
経営コンサルタントとして高い報酬を払っていましたが、会社での話はすぐに終わり、すぐに酒席に移ったものです。
妻の反対もありましたが、その頃は利益があったので、「飲み友達」でもいいかと思ったものです(もちろんコンサルタント料はそのまま払っていました)。
彼は、独立する前には輸入住宅の会社に勤めていて、2,3年シアトルに単身赴任していたそうです。
ある時、「深夜太平洋側の道を車で走っているとき、道に転がっていた空き缶が車の風に飛ばされて、カランコロンと飛んでいったときは、日本にいる妻と長女を思って、ほんとに淋しくなりましたよ」と言っていました。
今、突然カランコロンが聞こえる人が大勢いることでしょう。自宅療養を強いられていたり、家族を失ったり、店や会社をなくしたりして、「なにくそ」と気合を入れていても、何かのきっかけでたまらない気持ちになることがあるかもしれません。
私も今そのような状態です。一週間前(8月21日)、一緒に仕事をしてくれていた女性スタッフが急死しました。
おとしより一人一人に合った弁当を作るというビジネスをしていましたが、その責任者をしてくれていました。
最初の会社が立ち行かなくなってからも、私の復活のために働いてくれました。
このビジネスは他のスタッフでは無理なのでやめることにしましたが、20年間の思い出が浮かぶと、胸が苦しくなります。
どんなカランコロンでも、すぐに立ち直れる人がいる一方、いつまでも苦しみ人がいるでしょうが、それぞれが自分に与えられた人生です。そして、そこから多くのことを学ぶのが自分の人生なのでしょう。
ジグソーパズルという遊びがあります。私は苦手であまりしたことがありませんが、ピースの数に比例して完成する時間がちがうことは分かります。
そして、ピースを失えばもう完成することはないのですが(実際のジグソーパズルは、そのピースだけをメーカーから買うことができるそうです)、人生というジグソーパズルでは、失ったピースはどこにも売っていません。
そう納得するまでは時間がかかりますが、それならどうするか自分で考えるのが復活の一歩です。
まったく別のジグソーパズルをするか、それとも今まで作り上げてきたジグソーパズルを利用できないか。苦しいけど、あきらめないでがんばりましょう。