二つのこと

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復活ノート

「二つのこと」
ビジネスでは、松下幸之助が発明した二股ソケットのように、今までなかったものやサービスを扱うビジネスと、派遣サービスのように、規制(抵抗)のハードルを低くしたりなくしたりして生まれるビジネスがあります。
どちらにしても、社会のニーズがあれば、成功の道を進むことができるわけですが、それは、参入してくる企業が出てくることを意味します。
経営者は、それを自分や自分の会社を高める好機と捉えなくてはなりません。
私は、在宅保育や介護サービスは自分が考えたもので、他人が真似をするのは許せないという狭隘な心を持っていました。
それが、社員との関係にも影響して、どんどん孤立していって今に至るとなるわけです。
さらに、それは社会の姿を見るときにも、自分の目を曇らせました。「あいつらに経営のことなどわかるわけがない」などと言って。
30年ほど前、ネット通販が話題になりかけたときのことです。当時、あちこちの異業種交流会には顔を出していましたが、そこで、「インターネットが社会に浸透すれば、それを使って物を売ろう」という話が出ました。
私は、なるほどと感心していましたが、本心では、自分が集金にいけないな場所に住んでいる者に物やサービスを売って、未収になったらどうするのだと考えていました(当時、集金で苦労していましたので)。
今、通販は花盛りです。確かに未収も多いでしょうが、もしカードであれ、振り込みであれ、支払いができなかかったらどうなるか、健全な社会人ならわかっています。個人の信用は昔と比べようがないほど本人の生活を規制します。
別にネット通販ビジネスをしそこなったと言っているのではなくて、社会を、社会の動きをちゃんと見る目があれば、自分のビジネスをつぶすようなことはなかったのではないかとは思いますが。
30年前にネット通販があらわれたように、今二つのビジネスが私の前にあらわれています。二つとも姿が見えつつありますが、まだはっきりしていません。しかも、「家庭用」と限定しているのは。
一つ目は、家庭用再生エネルギーです。つまり、季節を問わず、しかも、どこででも住めるためのエネルギーです。これで、電力会社とも縁が切れます。
二つ目は家庭用ロボットです。自動車を作ったり、寿司を握ったりするロボットは大昔から活躍していますが、家庭用、特に介護の手助けをしてくれるロボットです。
「介護用ロボット」という言葉は嫌いですが(介護をするのは人間しかいないでしょう)、100馬力で介護の手助けをしてくれるロボットです(「階段を上り下りする車イス」があればどんなに便利でしょう)。
温暖化が進めば、今住んでいる町を離れざるをえなくなるかもしれません。
そんなとき、エネルギーとロボットがあれば、どんな辺境でも住むことができるのです。
やがて、そこに町ができるでしょう。
「健全な社会は健全な家庭から」です。政治家はそこをまちがえてはいけません。