ダメ元サービス

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復活ノート

「ダメ元サービス」
5月中も営業の規制が続くことになりました。経営者からは苦渋の声が聞こえてきます。
私も今対象の商売をしていたなら、怒り心頭の毎日を送っていたはずです。
人のすることをしたくない天邪鬼ですから、商売でも自分が考えたようにしたいので、それを邪魔されることはプライドが許しません。しかも、商売のことなど何も知らない役人ごときに邪魔されるのなら、死んだほうがましと思っていました。
ただ、それが過ぎて倒産してしまったことは事実ですから、社員には迷惑をかけたと今でも申しわけなく思っています。
今それに直面している経営者には同情を禁じえません。私たち中小企業者はいくら強がりを言っても、信用があまりないので、家賃や人件費が払えなくなったらどうしようもありません。
私の場合は、その時、社員のほとんどは訳の分からない理由をつけて辞めていくし、新聞やテレビで私の会社の不正が報道されると、契約している企業からは解約の電話がかかりっぱなしになるしで、もう整理しかないと思うようになりました。
今大きな岐路に立たされている経営者は、前にある壁の大きさに耐えかねて選択は一つしかないと思っている人も多いでしょう。
あれから10年以上たちましたが、今思うのは、社会に、いや、役人に糾弾されても、今の仕事を続けたいのなら急いで会社を畳む必要はないということです。
顧問弁護士が「知名度がありますから立ち直ることを考えたら」と言ってくれましたが、頭に入りませんでした。早くこの場から逃げたいと思ったのでしょうが、それも経営者の資質に欠けると反省しています。
あの時、「どうしたらいいですか」と弁護士に聞いていたら、その後の人生は変わっていたかもしれません。
最初に言ったとおり、私は天邪鬼で人の話を聞かない性格ですが、経営者なら、「ダメ元」を本分として、人の話を聞かなれればならなかったのです。
もちろん、採算の合わないものを「ダメ元」でやってみたら自分の首をしめるだけですが、そうではなく、「ダメ元」で人の話を聞くことです。自分が知らないことが聞けるかもしれません。
今それを少し大掛かりにすることを考えています。ネットでも、タウンミーティングのようにしてもいいです。悩みを抱えている人に来てもらってその悩みを聞くのです。同じ苦しみの人。それを乗り越えた人。多くの人が集まります。せっかく参加したのですから、遠慮していたら一生後悔します。
話をして、聞いて、道が開くかもしれませんし、力を出しあう人があらわれるかもしれませんし、共同経営する人が見つかるかもしれません。「ダメ元」があなたを救うかもしれません。
もちろん、これを企画するのも一つのビジネスになります。