ちょっと早い暑中見舞い

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復活ノート

「ちょっと早い暑中見舞い」
復活をめざしている皆さん、お元気ですか。
暑くなってきましたので、体には十分注意してください。
しかし、ビールがおいしくなってきました。しかし、寝る前には、ビールの量の1.5倍
の水分をお取りください(アルコールは水分を奪うものらしいので)。
「しかし」、「しかし」は、いつも人生についてまわっていますので、もう気にならないでしょう。
さて、私たちが試行錯誤している間にも、新聞記事になるような経済事件や破綻を引き起こす企業を見てきました。
それを読むと、企業規模が何百倍、何千倍とちがっていても、その原因は、私たちの場合と似通っているのがわかりますね(だから、負債額は途方もない金額ですが、そのスケールのために買収を持ちかけられることがあるのが、私たちとはちがっていますが)。
たとえば、私が、1972年(昭和49年)にはじめた在宅介護サービスでいえば、コムスンの問題が、今日本中を揺るがしていますが、その結果は、私が、5年前に経験したものです。
結局、「20世紀最後のビッグビジネス」という「ふれこみ」で、国が、介護保険に参入する企業を集めたのですが、それに乗ったほう悪かったようです。
国や自治体がやるのだから、「とりっぱぐれ」がないし、だいたい客を開拓する手間がいらないと、開業医や家政婦紹介所だけでなく、異業種の会社も、どんどん参入してきました。しかし、利益を出そうと、規模や営業所の増加をしても、それに伴って、人件費が増えるようになっているのです。
つまり、介護保険のビジネスは、スケールメリットはないのです。
しかも、商品はサービスそのものですから、常に人材を募集しておかなくてはなりません(コムスンの会長は、募集広告のために月5億円かかったといっていましたが)。
さらに、人によってサービスの質に差が出るのが、サービス業の悩ましいところです(私も、長年かけて作ったマニュアルをすべて捨ててしまおうかと思ったことがあります)。
コムスンが叩かれていることは、すべて、人が集らないか、あるいは、経費を削減するために人を入れなかったかに起因するものです。
それで、営業所にノルマを課したり、ケアマネに報奨金を出すこともしていたようですが、ひょっとして、私も、それぐらいはしていたかもしれません(資金繰りは、地獄の苦しみでしたから)。
しかも、若いときから育ててきた会社は、自分の子供のようでした。だから、資金が足らなくなれば、どんどん金をつぎこんできたのです。子供は、絶対自分のことを裏切らないだろうと思っていましたが、ここに敗因があったのです。
皆さんも、他の同業会社を見て、自分の敗因をわかっていることでしょう。
営々と築いたものがすべてなくなった喪失感や、債権者や管財人の言葉に傷ついたプライドは、まだ顔をのぞかせることはありませんか。
しかし、失敗から得たものは、それらの何倍もあるはずです。あとは、自分に負けない気持ちだけです。
「負け犬」とはひどい言葉ですが、自分に負けたのなら「負け犬」といわれても仕方がないのでしょうか。
お互い、「老犬」に、痛くない程度に鞭打って、ゆっくり歩きつづけましょう。