逆転

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「逆転」
涙なくして新聞やテレビが見られへんがな。自分におきかえて、この年で家族をなくしたらどんなに苦しいやろ、いや、若いときのほうがその後の人生が長いから、もっと辛いやろなろななどと同情する毎日や。
そう思いながらも、現実の自分もある。震災から2週間ほどはテレビも緊急事態になり、「こんにちワン」とか「思いやりは見える」のCMばっかりやった(特に、「子宮頸がん」のCMにはものすごいクレームがあったそうやな。仁科親子には責任がないのに)。
同時に地デジの脅迫CMもなくなったので、世間は地デジを忘れたな、ひょっとして2,3年前にゆわれていたとおりに延期になるかなと淡い期待をもっていたけど、また再開や(あと100日やて。数えているやつがいたんや)。
学校で、何か突発的なことが起きて試験や運動会がなくなることがあったけど、劣等生のぼくらは、とりあえずほっとしたもんや。
この震災では、酒癖の悪い海老蔵や八百長文学賞の絢香の夫もほっとしたんやないか。
そうそう、カンニング受験生もや(特にあの子は仙台の予備校に行っていたけど、何ともなかったんやろか)。
逆に状況が悪くなることもある。日本がそうやな。
原発事故までは、唯一の被爆国として、核実験をした国に抗議をしてきたのに、今や、「日本は放射能を垂れながししている」と袋叩きにあうようになった。
近いこともあるのやろけど、チェルノブイリはともかく、古い原潜の解体を金がないゆうてほったらかしにしていたロシアや、核武装をすすめてきた中国も、汚染水を流すなと抗議している。
これほど世界が放射能を怖がるとはな。日本から外国人はみんないなくなったそうで、残っているのはデーブ・スペクター1人になってもうた(帰っても仕事がないのかもしれんけど)。
中国人主婦が、日本人との間にできた子供をほっといて一人で逃げたとか、吉野家の中国人バイト200人がやめたとか、不法滞在の中国人が、放射能より中国での貧乏暮らしのほうがええゆうて自首してきたとか、やたら中国人が出るけど、何でやろか(経済成長やなんやかやで、腹になんかもっているのやろか)。
日本は、「住みやすさランキング」のトップクラスやったのに(日本の唯一の失点は、近所にヘンコな中国や、やからの北朝鮮があるゆうことぐらいやった)、当分ランク外やな。
さらに、美術展を開こうにも、「日本は何が起きるかもわからへん」ゆうて、日本への貸しだしはストップされた(来年秋に神戸でフェルメール展が予定されているけど、それは大丈夫やろな。「真珠の耳飾りの少女」には10回は会いにいくつもりやけど)。
日本は開国して150年で、また鎖国してしまったようやけど、今度は日本が決めたことではない。
外国からどんどん助けに来てくれているし、義援金もようけ来ている(名前をゆうのはなんやけど、最貧国とゆわれている国かも)。
ロシアからも、火力発電に使うガスをもってきてくれた。これで、何かが変わったら不幸中の幸いちゅうもんや。
自民党はどうやろ。地震は仕方がないとしても、原発は、業界といっしょになって自民党が進めてきたもんやろ(福井県にある原発の近くで生まれた人に聞いたが、漁師にはすごい補償があるわ、ばかでかい道ができるわ、学校から原発に行き、いかに安全か教えられるわというのが昔からあったそうやで)。
東電幹部は今も自民党に献金しているけど、自民党には責任がないのか。
桑田佳祐は、また「TSUNAMI」を歌うのか。
この世は、祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり、や。
被災した人の前にあるもんを考えたら、被災していないぼくらの前にあるもんなんかどっちゅうことないやろ。
被災した人のことを知ると、ただ、誰かに勝ったか負けたかではなく、「前の自分の生き方」を逆転したいと殊勝に思う毎日や。

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