金色の花(2)
今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「ほんとにヘンな童話100選」の(147)
「金色の花」(2)
金色の花を持ってきたら、国もお姫様をやろうと王様は約束しました。
しかし、お姫様はまだ10才ですので、15才になったらいうことなので、あと5年先のことです。それは、金色の花は、5年の間に見つければいいのです。
それ以来、若い男たちは毎日そわそわしています。寄れば、いつもその話になります。
しかし、金色の花は山に咲いていると言われても、仕事があるので、たびたび山に行くことはできません。
図書館に籠っても、金色の花について書いてある本はありません。よその国に行ったものも、そこで金色の花を見つけることはできずに帰ってきました。、、
やがて、「そんな花はこの世にないのだ」という話が国中に広がりました。、
人々は、以前のように、毎日朝早く起きて野良仕事や職人の仕事をして、仕事が終われば、町でごちそうを食べたりダンスをしたりする生活をしました。
そして、4年立ちました。一人の若い男がお城の門を叩きました。そして、「金色の花を持ってきました」と叫びました。
門番が驚いて籠の布を取ると、まばゆいばかりの光が目に飛びこんできました。門番は、「おーい。みんな来てくれ」と叫びました。その声で、他の門番が集まってきました。
すぐにその若い男を、町の人が見たこともないような豪華な部屋に入れ、「ここで少し待つように」と言いました。
このときのために勉強していた家来が、その金色の花が本物かどうか調べることになりましたが、なかなかわかりませんでした。その若い男は、お城に泊まることになりました。
そのうわさはすぐに町中に広がりました。「ハンスが金色の花を持っていたそうだぞ」、「あのハンスが王様になるのか」と人々は騒ぎたてました。
さらに、結果が出ないうちに、2人の若い男と1人の老人が、それぞれ金色の花を持ってお城に行きました。
それぞれ別の豪華な部屋をあてがわれました。もちろん、豪華な食事も出ました。
「これは大変なことになったぞ」、「そうだ。国はともかくお姫様は1人しかいないからな」町の人々は、また大騒ぎしました。
1週間後、4人の男が持ってきた花はすべて偽物だということが分かりました。
金色の塗料を塗ったり、蛾の鱗粉をつけたり、金粉を練りこんだり、中には金色の紙を貼ったりしていました。4人は捕らえられ、裁判を受けることになりました。
人々は、「やはり、金色の花なんてこの世にはないのだ」、「そうだ。王様は嘘をつく人間を見つけようとしただけかもしれない」と話しました。
しばらく、誰も金色の花をお城に持っていきませんでした。そして、期限の5年まであと1月を切ろうとしていました。
そのとき、若い男が金色の花を持ってきました。
門番は、「また偽物だろう。牢獄に入りたくなかったらこのまま帰れ」と言いました。
若い男は、「いいえ。これは本物です。王様にお見せください」と答えました。
「それなら」とその花を預かりました。ただし、その若い男は、お城の片隅になる粗末な小屋で待つように言われました。
3日後、それは本物でした。
若い男はお城に招かれ、明日にも王様と会うようになっていましたが、また別の男が、金色の花を持ってあらわれました。
50近い男でしたが、身なりはみすぼらしく、番人はどうしようかと迷いました。
ただ、花は見事な金色でしたので、とりあえず預かりました。しかも、木の下で待つように言いました。3日後、これも本物だということが分かりました。2人のへの尋問が行われ、最初の花は品種改良で作られ、後の花は5年間山を探し歩いて見つけたものだということが分かりました。
家来は困りました。「2人を王様に会わせることはできない」、「王様は山に咲いているとおっしゃったぞ」、「いや。本物の金色の花ならいいはずだ」
困りはてた家来は正直に王様に話しました。
王様は、二つの金色の花を見ました。「なるほど。どちらも、光り輝く金色じゃな」
「それなら、どちらをお選びになりますか?」家来は聞きました。
王様はしばらく考えていましたが、「品種改良した若者もを呼べ。人間としては、愚直に山で探したものは称賛されるべきであるが、国を治めるものとしては、今までなかったものを作る部脳が必要である」と言いました
次の王様はこうして決まりました。その王様はどうだったかについてはいつかお知らせするときが来るでしょう。