記憶力(1)

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「記憶力」(1)
前回、誰でも「はしか」のようにかかる「バスガイド一目惚れシンドーロム」についてゆうた。
爾来幾星霜、ぼくらは、めでたく「メタボリックシンドローム」の齢(よわい)になったわけやけど、この間に、「あほテストシンドーロム」も覚えがないか(これも、ぼくだけやないことを聞いているけど)。
子供のとき、頭を打つと、アホになったんとちがうかと心配になって、自分で診断する癖や。
小学生の頃は、よう頭打ったりこけたりした。あるとき、自転車に轢かれたことがある。ぶつかったあと、体の上を自転車が越えた。痛かったけど、怒られると思うて逃げた。加害者のおっちゃんが、被害者のぼくを、「大丈夫か~」ゆうて、ずっと追いかけてきた。
一番恥ずかしかったのは、コールタールの塗りたてのときにこけたことや(真夏もたいへんやった)。昔は、道をセメントではなく、コールタールで舗装した。しかも、断面で見ると、水はけのためか富士山のような形になっていた。さらに砂をまいていた。そこでこけた上に転んだから、えらいことになってしもうた。重油にまみれたペンギンのようやった。
とにかく、頭をガツンとうったときは、「あほになったんとちがうやろか」と心配したもんや。そこで、100を反対から数えたり、「あ行」、「か行」を反対からゆうたりしてチェックした。
記憶は一生ついてくるもんや。今、テレビでアルツハイマーのドキュメントや、映画でもアルツハイマーをテーマにしたもんが出てくるようになった。自分の記憶がなくなっていくのは、どんなに恐ろしいやろ。
10年ほど前、アルミ鍋が原因やとなって、世間はパニックになったけど、あれはどうなたんやろ。
そこまで行く前の「物忘れ」、特に「名前忘れ」については、以前ゆうたような気がするけど忘れてしもうた。
確か4,5人で渋谷の焼き鳥屋で飲んでいたとき、誰もオマリーの名前が出てこんで、夜中やったけど、全員自分の家に電話したりたいへんやった。
こうゆうときは、どんなことをしても、すぐに思いだすことが大事やと医者がゆうている。記憶のシナプスがどうたらこうたらゆうことらしい。そんなことよりも、喉から出かかっているのを、そのままにしておくのは気色が悪い。
その症状はあいかわらずやな。きのうもたいへんやった。
モンキッキーが山川恵里佳と結婚するニュースで、「アニマル梯団」とゆうたとき、相方の名前が出てこなかった。つっぱり女優の「ヒモ」になったけど、その名前は?池田高校から巨人に入ったピッチャーは?最近はみんな怒る。
ものがゆえなくなったぼくの父親は、指でペケをすることがある。「もうあかん」ゆうような意味らしいけど、あれとおんなじやな。
記憶力があれば、頭がええとなるのが世間や。ところで、記憶力とは、記憶する力やけど、思い出す力とはいっしょやろか。
そのへんを、なんにもかも忘れてしまう前に考えるわ。

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