仕掛け
今日も、ムーズがやってきた~きみと漫才を~
「仕掛け」(1)
40代、50代の中年男を中心に、年間3万人以上が自殺してるとゆうことが、問題になっている。
国をあげて、自殺予防センターを作ろうゆう構想も具体的になってきてるらしいな。
原因は、仕事や家庭問題で行きづまったとゆわれているけど、ぼくも同じ年代やから、つらい。
自分の前に、楽な道はないことは、他人にゆわれんでも分ってる。
若いときは、道がなくても、いや、道がないからこそ、生きる価値があると思うてた。
あれから、20年ぐらい立つと、道がないとこを進めんようになってしまうんやろか。
ほんまは、がんばる力の量も質も、若いときよりあるのに、むなしさに負けてしまうように思う。
がんばるきっかけは、若いもんより多かったはずや。初めて仕事についたとき、結婚したとき、子供が生まれたとき、家を建てたとき、男は、よし、がんばるぞと思った。
しかし、むなしさとゆう気持ちは、ほとんど経験してへん。だから、今まで、ようがんばってきたな。これから、楽になるぞと思うときに、何かつまづくと、はねかえすことができへんようになってしもた。
そんなときは、どうするか。ぼくは、京都のおじのことを考えるねん。
おじは、兵隊から帰ってきて、丁稚でおぼえた事業を起こして、会社も、軌道に乗った。そして、長男に、後を任せたけど、不況の波を、ざぶんとかぶった。
7,8年前に、不渡りを出したときは、銀行、商工ローン、整理屋が飛んできて、工場、自宅などの不動産、動産を、全部持っていった。
あの地獄で、体はずたずたになった。胃は、ほとんどないし、糖尿病、食道がん、肝硬変と、何でもこいや。せやけど、血圧は、正常や。甥(おい)のぼくのほうが高い。
最近、ようやく落ち着いて、老夫婦だけで、借家暮らしを始めているのやけど、行くたびに、「前のような元気になってきた」ゆうより、「前とは違う元気が出てきた」ような気がする。
しかも、あいかわらず、新しいもんを考えるのは好きや。ぼくが行くたびに、「ロトシックス」の数字を出すもん(丸い紙の裏に、本人が統計を取った数字が書いてあるだけやけど)や、金色や銀色の紙を細く切って、「幸せの家」(角っこを貼りあわすのが画期的らしいけど)を作って、これ、商売でけへんかとゆう。
事業で、にっちもさっちもいかへんときも、「すぐに、200万円送ってくれ。その代わり、
ごみ収集を、横からできる車のアイデアをやるから」とゆうとった。
自分は、縫製の仕事を、ずっとやってきたのにな。
訳のわからん発明が多いけど、自分の心を元気にする発明は、すごいと思うねん。
それについては、来週書くわ。