職人

   

今日も、ムーズがやってきた~あなたと漫才を~

「職人」
職人ゆうたら、家を建てたり、刀やかごを作っている人を思い浮かべるやろ。この前から、歯医者に行っているけど、あれは職人そのものやな。虫歯の具合が、みんな違うから、どう治療するか、たいへんなことはたいへんや。こっちは、目ぇつぶって、製材所のような音を聞いといたらええだけやけど。
でも、ぼくがかかっている医者は、なんか楽しそうや。「これは、ひどいな。あれ持ってきて。もうちょっと大きいのんを。ああやろ、こうやろ、どないしょ、どないしょ」と、独り言が大きい。それは、自分でもわかっているようで、「私が、何でぶつぶつゆうてるかといいますと」と、手鏡持たされて、説明してくれるんやけど、このむちゃくちゃになったのを、どうやっつけたろか、ものすごくのめりこんではるな。
歯医者や目医者は、医者業界では、下に見られているらしいけど、医者は、みんな一緒やと思う。もっとも、腹を切られて、「これはひどいな、どうしょ」なんていわれたら困るけどな。昔の漫才に、「銭湯では、体全部洗っても、100円やけど、目医者は、目ぇだけ洗って、500円も取るわ」ゆうのがあったけど、垢たまっても死なへんけど、目が見えへんようになると不自由や。
ついでにゆうと、ミスばっかりする医者を、「リピーター医師」ゆうねんて。今、そいつを再教育するようになるらしい。医者でも、弁護士でも、資格がないと商売でけへんけど、この「資格」ゆうのは問題やな。「資格」にあぐらをかいて、向上心がないんや。性格が合(お)うてへんのやろな。
この前から、ホームページを作っている人に、よう会(お)うているけど、ある人がゆうとった。「ホームページそのものは、中学生でもできるけど、自分しかでけへんことをせんと、プロの商売はできません」とのことや。もちろん、資格なんかいらん。
資格は、勉強したとゆうことやろうけど、「一生もん」とちがうことを考えるこっちゃな。
タレントの片岡鶴太郎が、画家みたいなことをしてるけど、彼が、榊獏山ゆう書家に(「獏山発言」は、みんな知っているやろけど)、「ぼくの絵に、字を書いてくれませんか」とゆうたんやて。つまり、一緒に商売せえへんかとゆうこと。獏山は、「この人の絵は、本物やない」と断ったらしい。職人は、見抜く力があるんやな。ところで、獏山の作品は、今、日本一高いんやて。300万円とか聞いたことがある(それやったら、散髪屋と歯医者に行ってこいってか?)。
それから、どこかの温泉が、鶴太郎の美術館を作ったけど、あかんかったんやて。これと関係あるんやろか。
陶器なんかを作っている職人が、「自信のあるのはありまへん。一生勉強です」ゆうてるけど、あれ、ほんまに、そう思てるんやろか。それが、ほんまやったら、仕事ゆうのは、奥が深いから、人間性そのものと関係するんやろな。「主婦も、職人や」ゆうたら、怒る?

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