認知症

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「認知症」
――フゥー!
――おいおい、出てきたそうそう何やっているねん。二日酔いか
――美木良介が考えたロングブレスや。知らんのか
――知っているけど、まさか舞台でするとは思わへんがな
――体調を整えて、お客さんにすばらしい芸を見てもらうんや
――それなら、楽屋でやってこい。有酸素運動とか
――雄さん?南都雄二が考えた運動か?
――「雄さん、女作って出ていきましたわ」てか。わしゃ、ミヤコ蝶々か
ちがうがな。酸素をたっぷり吸いこんだら健康になるんや。それに、古いことばっかりゆうとったら、認知症になるで
――それは困る。うちはボケの家系や。新しいことをしたらええんやな
――そうや。スマホは?
――別にええよ
――何がいな。スマホは?
――気にせんでもええよ
――あほか。スマホは使うとるんか聞いとるんや
――そうやったんか。すまんかったとゆうとるんかと思ったわ
――きみに、何あやまらんとあかんのや
――スマホ?ああ、みんな電車の中で、指で何かしとるやつやな。最初、鼻くそをこすりつけていると思ったわ。ぼくはせへん
――えらそうに。それなら、ケータイは?
――ケータイはあるで。嫁はんがもたしてくれた。仕事が終われば、ケータイで家に電話するねん。そうしたら、嫁はんが、これこれ買うてきてゆうわ
――情けないやっちゃなあ。それなら、ラインは知らんな
――ラインなら知っているで。あれ見ると、ドキドキするわ
――ドキドキする。なんでや?
――パンティラインやろ?
――あほか。無料の電話のことや
――そうやったんか。ボケんためにはスマホがええのやな
――ぼくがまちごうていたわ。きみはボケんわ
――なんでや
――認知症は、頑固で、怒りっぽい人がなるんや。そして、エリートは認知症になりにくいけど、一旦なったら、進行が早いらしい。きみは、どれ一つ当てはまらんさかいな
――そうか。ぼくは、仕事がないときは、家でゆっくり昼寝をしているから、ストレスはないからな
――それはあかん。昼寝を1時間以上すると、認知症になるらしいで
――ほんまか。今まで5時間はしとったわ
――どんな生活しているねん
――嫁はんが、寝てたら腹減らへんゆうからな。でも、起きたら、腹減っとる
――当たり前や
――それなら、これからは、昼寝は1時間にして、晩に13時間寝るわ
――その頭、他に使われんか
――わかったわ!
――何がいな
――ぼくが漫才へたなのは、うまいことボケられへんからや
――きみとはいっしょにやれんわ

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