睫毛(まつげ)
今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「睫毛(まつげ)」
最近メガネのレンズが曇ることに気がついた。老眼鏡やからそうかけへんし、しかも、左の右下だけが霧がかかったようになっている。
メガネのフレームがちょっと曲がっても、差し歯がぐらいついても、ん?と感じるやろ。
どうも気になる。拭いても1時間でまた霧や。不思議でしゃあなかった。
うちはとしより向けの弁当を作っているので、料理したときの油かなんかでそうなるのやろかと思うたけど、今までこんなことはなかった。
もしかと思うことがあったので調べると、やはり霧はレンズの内側だけだった。
睫毛が伸びたんや。眼圧の目薬を使うているので(緑内障なんかの治療や)、目医者から、眉毛やまつげが伸びる副作用があるとゆわれていたけど、案の定、それやった。
散髪屋で眉毛も切ってもろうているけど、なんや早う伸びるなあと思うていたわ(今は高校野球の選手でも眉毛を短うしている。村山ゆう総理大臣や高石ともやのような眉毛は、なんとして避けたいけど、頭の毛より早う伸びる気がする)。
その目医者は、今はどんな薬でも、新薬やジェネリックがどんどん出るときやからゆうて、新しい目薬を試してくれる(しかも、いつでも「若くて大きい人やから」と愛想かなんかゆうてくれる)。
さすがに眉毛は散髪屋も目医者もしてくれへん(スタッフにしてもらおうと頼んだけど、「言いにくいけど、目の下がぶよぶよやから無理」と断られた)。
目医者に相談すると、今の目薬は副作用が少ないけど、気になるなら眼鏡屋でフレームを少し高くしてもらうのがてっとりばやいとのことや。今さら睫毛が伸びてもなあ。
渋谷のギャルは、睫毛が命のようや。「つけま」を2,3枚重ねるのがフツーやて(今のプリクラは目を大きく写す機能もあって、「つけま」のおまけもついているようや。それは気にくわん品物らしいけど)。
よう知っているやろ。渋谷の道玄坂に東京支社があったので、どうも気になるんや。
ともかく、それなら、渋谷ギャルが眼圧の目薬を使うたらと思うけど、そうはいかんのやろな。
まあ、世の中、いるもんには少なく、いらんもんに多いことがあるし、人生でも、いるときに少なく、いらんときに多いことがある。
ここに、ぼくが神さんに出した手紙がある。
「神さん、確かに私は身勝手なことをしました。その報いが来てこんなことになりました。しかし、7年間がんばりました。25才で会社を作り、それ以来、社長以外の言葉で呼ばれたことがありませんでしたが、55才で宅急便の倉庫でアルバイトをしたとき、名前を呼ばれるどころか、このアホ、ボケとゆわれつづけました。
その都度、短気を起こすなよ、失敗するとはこうゆうことなんやからと自分に言いきかせました。
そして、よりによってこんなときに、二親(ふたおや)や義父の介護、死亡や、長女や次女の結婚がありました。みんな当てつけのように思えて仕方ありません。
特に次女は、子供のときから世界中旅行させたり、ニュージーランドに留学させたりしてきたのに、2人の子供に養育費を払っている男と結婚したのです。今、朝4時に起きて働いているということです。
それを聞いたとき、自分の今の立場を思うと、強く反対できませんでした。
ともかく、この7年、金のない苦しみも、他人の好奇な目にも耐えてきました。
そろそろどうですか?昔のように、安もんの医者の2,3倍の給料をいただけませんか」
素直やろ。自分のことを棚に上げてとゆう向きもあるやろけど、隠しても、神さんはお見通しやろ。せやけど、その兆候がないから、神さんは怒っているのかもわからんな。
「つけま」のような虚飾はいつかは剥がれる。自分の睫毛のように、復活の芽がぐっと伸びるまでがんばろか。