ディープヤング(1)
今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「ディープヤング」(1)
アメリカのディープサウスは、アラバマやミシシッピなどの南の州を指す。移民が集まって開拓を始めた場所や。
悪いインディアンと戦って、どんどん開拓していったようなイメージがあるけど、何千年も前から暮らしていたインディアンにとっては割に合わん話や(ぼくらは、戦後入ってきた西部劇でインディアンは悪人やと思わされた)。
また、保安官が荒くれ者をやっつけていたが、「ハックルベリー・フィンの冒険」に出てくるように、当時は自分のことは自分で守らんとあかんから、敵(かたき)討ちやリンチも認められていた。
大阪のディープサウスは、通天閣の下あたりやけど、釜が崎のことがあるので、昔は、大阪の人間でもあまり近寄らんかった(すぐ横に帝塚山があるのに)。
確かに動物園の柵のまわりでも、霞町の駅舎の中でも、みんな昼から寝ていたけど、それは、移民やないけど、他所からきた労働者が多かっただけや。
大阪城より北側は開拓されていなかったから、庶民は南のほうでしか生活でけんかった(梅田から30分ぐらいの池田でも、「池田のししかい」ゆう落語があるくらいやから、人はほとんど住んでなかったようや)。
ところで、大阪のディープサウスは、変なイメージが定着してしまったが、最近人気があるらしいな。恐いもん見たさか知らんけど、全国から若いもんがどんどん来るんやて(せやから、若もん向けの店もどんどんできる。堀江でも、2,30年までは、何にもなかった)。
「大阪を案内して」ゆわれても、ぼくでも、通天閣は連れていったことないなあ。今では鶴橋も全国区になっている(以前、鶴橋でマイケル・ジャクソンが自転車に乗っているのを見たもんがいたらしいけど、ほんまやろか)。
町でも、個人でも、他所もんに見せたくないもんがあるんやな。
ぼくは大阪生まれでないのに、何でやろか。確かに昼日中から酔っぱらいが道に寝ていたり、立ちションベンしているところを、若い女の子と通るのはカッコ悪いもんなあ(少なくとも、あの臭いはロマンチックやない)。
ところが、知らないところへ行くのが好きでしゃあないもんがいる。
以前、悪友4,5人と台湾に行ったことがあるけど、そのうち1人がそれで、どこへでも行きたがった。
そのせいか何回かタクシーに乗るうちに、「台北の道は大体わかった」とゆうていた。しかも、タクシーに張ってある写真と運転手がちがっていたので、問いただすと、「今晩は友だちに借りて商売している」とゆうことやったので、「ぼくも、しばらくここでタクシーのバイトをしょうか」と笑っていたもんや。
「好きこそものの上手なれ」やな。ぼくは、好奇心が強いほうなのに、人見知り、町見知りするから、最初はなかなかうまくいかん。
ところで、最近、若いもんと知りあいになる機会があった。
若いもんは、知らんことが恥かしくないのか、すぐに「それはなんすか」と聞くし、ぼくらが若いときいっしょで長髪やけど、パーマ屋に行っているようやし(ぼくらは、散髪屋にも行かへんかった)、眉毛も触っている。
こいつらと話はちゃんとでけんやろと思うていた。次回は「ディープヤング」の報告をする。