アベレージ

   

今日も、ムーズがやってきた~きみと漫才を~
「アベレージ」
プロのスポーツ選手は、チームが勝っても、負けても、結局は、自分の成績で、生きるか死ぬかが決まる。つまり、プロでやれるかどうかや。
野球であれば、打者は打率やし、投手は防御率が、評価の中心や。
打率は、10回打席に入って、何回打てるか、防御率は、途中で代わっても、9回投げたら、自分の責任で、何点入れられるかとゆうことやろ。
つまり、その選手の安定度が、一番評価される。春先に5割打っても、1シーズンの打率が、1割台やったら、信頼されへん。
打率がよかったら、ぎょうさん打たしてもらえるから。ホームランや盗塁が生まれる。
同じように、防御率から、勝利数や三振奪取数が生まれる。要するに、安定してへんかったら、つまり、気まぐれやったら、生き残ることがでけへん。
王や長島(今は、松井やイチローか)より、すごい実力を持っていたもんは、きっとおったやろ。せやけど、実力を出すまで辛抱でけんかった、あるいは、大事なときにけがや病気をして、評価されんかったから、野球をあきらめたもんをいるやろ。
ところで、普通の生活には、攻撃も、防御率もないと思てたけど、打ってでることも、守ることもないのやろか。
どこに勤めよか、誰と結婚しようかと打席に入ることもあるし、借金取りからどう逃げよか、病気からどう立ちなおろかとピッチャーマウンドに上がることもある。
人生とゆうシーズンは、野球と比べたら、むちゃくちゃ長い。せやから、途中で、やけになったら、シーズンが終わるまで長いで。
あきらめんかったら、終盤に固め打ちしたり、相手を、キリキリ舞いさせることはでけへんねやろか(相手ゆうても、人やなくて、困難ゆうことやけど)。
とにかく、打率や防御率は、平均(アベレージ)やから、試合に出ることが前提や。
せやから、「あのとき、ものすごいホームランを打った」ゆうて、昔のことばっかりゆうててもしゃない。今は、大差で負けとっても、打率や防御率を上げることを考えたほうがええ。試合は終わってへんのやから。
せやから、「朝、右折する車にぶつけられたから、今日は、何にもする気がおこらへん」とか、「今年は、厄年で、なんにもせえへんねん」ゆうて、その日、その年をあきらめることがあるけど、がんばったら、ええことがおきたかもしれへん(おきへんかもしれへんけど)。
それから、スポーツ選手には、野次がつきもんや。「あほ、ぼけ、死ね」のバリエーションにいかに耐えるかや。どっかのサッカー選手のように、失敗したからゆうて、ファンから、家や車を焼き討ちにされるよりましやろ。
ぼくらも、家や会社の監督をしていても、「代われ」ゆうヤジに興奮して、「やめたらー」ゆうこともある。もっとも、家族や社員が、とっくに、違うもんを監督と思うてる場合もあるやろな。お互いしんどいけど、プロやと思て、がんばりまひょ。

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