
地元の人サービス
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復活ノート
「地元の人サービス」
横浜に住んでいる長女夫婦からラインがあり(毎日のように「今日の出来事」などをやり取りしていますが)、近所のお祭りの写真が添付されていました。孫二人とも浴衣を着て、大勢の人と境内の音楽イベントを見ています。
また、長女の主人も法被(はっぴ)姿でみこしを担いだり、輪投げの手伝いをしたりしている写真もあります。そこは主人の地元ではなく、10年ほど前に家を買った町です。
ただ、昔から祭りは盛大に行われていたようで、昔からいる人だけでなく、新しく来た人も参加しているのです。
全国的に有名な祭りは今も絶えることなく続いていますが、長女の町のように、地元だけの祭りは地域の強い結束がないとすぐに消えてしまいます。
私の実家がある地域はいわゆる限界集落に近づきつつありますので、子供のころ、祭りでにぎやかだった境内も、今は年中静まったままです。
高校を卒業して進学などで都会に出た私たちにも責任がありますが、残った人も祭りを続けようとする気力がなかったのでしょう。
これは、別に祭りだけでなく、日本のほとんどの町で伝統文化が消えていく理由だと思います。
もちろんコロナがありましたので休まざるをえなかったこともあるでしょうが、再開を決めても、不景気で寄付が集まらないということもあるようです。
町には地元の人とよそから来た人がいます。子供がいれば知りあう機会も増えますが、子供がいない場合と、もっとよくあるのは、そこで生まれても仕事などで地元のことをおろそかにしてきた場合は、自分が住んでいる地域のことを考えることはありません。
自分の住んでいる町を単なる場所とだけ考えても生活はできるのですが、自分が年を取ってどこかの施設に入るようなことになれば(家族がいても)、地域の人の世話になります。
そこで、祭りだけでなく、日頃から老人だけでなく、若い人や子供が集まるようなイベントをするようにしなければ、「地元愛」は生まれません。
集会場や公園を使ってどんどんイベントをします。そして、「手伝ってください」などと頼むのです。そうしたら、「そんなに困っているのなら、手伝ってやろうか」と言う人があらわれます。
また、「自分もこんなことができる」という人も出てくるかもしれません。
一人住まいの人も、誰かが近くにいてくれると思うようになれば、単なる場所もかけがえのない場所になるのです。
私も、20年ぶりに地元で生活をするようになりましたが、私と同じぐらいの人が、どこに行くのか毎日歩いていたり、近所のスーパーのベンチにすわって所在なさそうに煙草をすっています。きっとイベントに来て手伝ってくれるでしょう。
みんなが地元の人になる「地元の人サービス」をはじめませんか。