久保田(3)

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「久保田」(3)
確かに、体育のとき、男女とも教室で着替えるから、早めに帰ってきて、好きな女子のスカートをはいたことはあるけどな(そのためには、見張りがいるから、みんなでやった)。
ところで、「部下を育てる方法」とゆう実務本には、「ほめると伸びる社員と、叱って発奮する社員を見極めることが大事だ」とか書いてあるやろ。子供でも一緒やろな。
確かに、ぼくは怒られると、すべてが否定されたような、心がコッパミジンになったような気がした。子供のときに怒られたことは、全部覚えているから、扱いにくい子供やったんやろな。
それから、40有余年。事業をいったん打ちきったあとの債権者会議で、前に立たされながら、「くそったれめ。おれを裏切ったやつは、絶対許さんからな」と思うとったときも、「もうすべて終わった」ゆう気持ちになっていた。
もっとも、上場はしてへんかったから、会議は、坦々としたもんやったけど、じっと耐えるしかなかった(あの時、自分の緊張をほぐすために、「金儲けは、悪いことですか」などと、誰かのまねをして笑いを取ったら、「金儲けがへたやから、こんなことになったやろ!」と怒られたかもしれん)。
事業をしているときは、なんでも社員がやってくれたから(いやなことは全部押しつける社長やと思われていたやろな)、性格を隠すことができた。
誰でも、人生の一大危機に会うときは、自分の性格が強くなるか、変わるかの「運命の分かれ道」に立つときやと思う。今、何でも、自分でせんとあかんようになったから、「打たれやすい性格」を何とかせんとあかん。ぼくらのような性格は、物事を、0か10にしてしまうからな。すぐに「それやったら、いらんわい」となるから、始末が悪い(そんな性格やのに、平気で、人にヤジを飛ばしたり、悪口をゆうのも、ぼくらの特長や)。
ところで、ベイスターズの石井は、ピッチャーとしてプロに入っても、性格的にあわんとゆう理由で、野手になって、2000本安打を打った。また、ピッチャーでも、「先発が好きです」、「救援のスリルがたまらん」といろいろおる。
せやけど、人生では、得意な場面ばっかりないやろな。ぼくらの性格は、「行け行けどんどん」に向いとるけど、ランナー(借金とか病気)を背負って、ピンチをきりぬけるのは苦手や。人生ゆうゲームでは、ぼかぼかに打たれても、2軍で調整するとゆうわけにいかん。
せやから、ぼくは、「しかけと段取り」とゆうことを思いついた。性格は変えられへんのやったら、自分を、自分で作った「しかけ」に入れ(ヤジも悪口も聞こえんようにしておく)、あとは、どのような段取りで、前に進むか。「人生の知恵」や。
ところで、久保田は、この前、みごとに救援した。といっても、ベビーカーが転倒しそうになって、乗っていた娘を、すばやく助けた。しかし、そのとき、手の甲を骨折してもうた。JFKの藤川は、子供を守るのは、親として当然のこととかばうてる。
久保田は、キッと前を見て、この難関を乗りきるやろ。

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