関係障害(1)

   

今日も、ムーズがやってきた~きみと漫才を~
「関係障害」(1)
春風が吹くようになった。花も歌い、魚も踊る季節や。
もちろん、ぼくらも気持ちがいい。特に病人やとしよりが元気になったらと思う。
今回は、なかなかヒューマニズあふれる書き出しや。
ところで、「人に好かれる」、「人に嫌われる」とゆう性格がある。別に知り合いでもないし、しゃべったこともないもんにも、いやテレビに出ているもんにも、そうゆうことがある。「好感度」ゆうやっちゃな。好かれるもんは、心から春風が吹いてくるんやろか。それやったら、嫌われるもんは、毒ガスを吐いとるんか。
東映の山形勲や吉田義夫のような悪役以外は、みんな、鶴瓶がゆうように、「ええ人に思てほしい」のやけど、心を隠すことはむずかしい。心は、顔や態度に直結やからな。
すぐに顔が出る性分は、持って生まれたもんで、直されへんのやろか。ぼくも、最近はせえへんけど、舌打ちまでしてたな。あれは、自分でもいやなもんや。顔の筋肉は鍛えられへんとゆうから、ますますたいへんや。
そこで、心を隠すために、人はどうするか。笑顔を作るんや。とりあえず笑うて、時間稼ぎをする。そうゆうと、「そんなことあるかいな。笑顔は、やさしさの表現や」と反論されることもあるけど、笑顔で応対して、あとで「いやな人でしたね」とゆうもんを、よう知っている。
ぼくのおばあちゃんは、「『器量よし』より『笑顔よし』や」とようゆうとったから、ぶすっとするより、にこっと笑ったほうが、とりあえず特やな。
最近多いけど、「飛行機を落としました」、「顧客情報が流失しました」とかゆうて、企業や役所の幹部が謝るけど、記者会見で、変ににやついているもんがいる。
そこで、尻馬に乗った記者が、「ちゃんと申し訳ないと思っているんですか!」と突っこんでいるけど、それは、内心では、「いややなあ。嫁はんや子供も見とるやろな。早う帰りたいわ。せやから、こんな会社に入りたくなかったんや」と困っているだけや(これは、これであかんか)。
とにかく、笑顔を絶やさんもんが、ええ心の持ち主で、すぐ顔に出るのが、いつも不平ばっかりゆうてるもんやろか。
ついでにおばあちゃんの話をすると、「『マンジュクイ』みたいな顔をして」とようゆうとった。子供のときは、「あほみたいな顔をして」とゆう意味かと思うてたけど、調べたら、昔、「饅頭喰い人形」ゆうて、饅頭を手に持って、満足そうな顔をしている子供の人形があったらしい。しかし、こいつは、大人に、「お父さんとお母さんと、どっちが好きか」と聞かれて、まんじゅうを半分に割って、「おじさんは、どっちのまんじゅうが好きですか」と答えたという胡散臭(うさんくさ)い子供やったらしい。
とにかく、顔に出てしまうのは、ある意味正直な人間や。しかも、心では、「そう思うていても、ほんまに思うていることなのか」と自問自答している。それが、誤解を招くんや。

 -