技術(1)

   

今日も、ムーズがやってきた~きみと漫才を~

「技術」(1)
2007年問題ゆうのが出てきたな。
数年前は、2000年問題があった。2000年になったとき、コンピューターが、1900年と勘違いして、プログラムが正常に動かんゆうたやつや。
ところで、最近、コンピューターが「動作」するとゆうやろ。「作動」とゆわへんようになった。あれ、気に入らんわ。なんでも、「~あげる」の次にな。「犬にえさをあげる」から、「肝臓をいたわってあげる」てか。どこかで書いたから、もうやめるけど。
とにかく、2000年問題は、何にも起こらんかったけど、2007年問題はどうなるやろか。
2007年問題とは、ぼくら団塊の世代が、定年退職を迎えるようになるので、その退職金が、役所でも、企業でも、ぎょうさんいるということらしい。
役所は、大赤字で、市民に使う金があらへんようになるし、企業は、退職金倒産が増えるようになるんやて。
別にいっぺんに払わんと、分割でもええのんとちがうか。大金を持ったら、しょうもない使い方をする人がいるから、ちょっとずつのほうがええかもしれん。ぼくはもらわれんから、どっちでもええけど。
定年とゆうことを、世代の一人として考えたら、感慨ひとしおやな。
就職する時代は、みんな長髪やったから、面接やからと思うて、ちょっと切っていたけど、会社の総務から、もっと毛短こうしてこいゆわれて、しぶしぶ散髪屋に行った。「耳出したん始めてや」と、屈辱的やった。
中学生になると、丸坊主にせんとあかんかったから、そのときと同じ気持ちやった。
ぼくみたいに、世の中をはすかいに見んと、人の役に立とうとがんばってきた同級生もいたから、日本は、うまくいってきたんやな。
それから、40年近く立ったんや。みんないろいろあったやろ(涙)。
ぼくは、2年ほどで、広告代理店をやめて、25才で、事業をはじめた。
これでも、最盛期は2000人ほどの契約社員を抱えていたけど、しんどうなって、もう一度やり直しているところやから、この年になっても、人生のゴールゆう印象がないねん。
ところで、退職金もそうやけど、技術なくなることを騒いでいるやろ。
車や船の企業がたいへんなんやて。「プロジェクトX」みたいな番組で、よう見たけど、経済成長を支えてきた技術が伝わらへんらしい。
船の舳先(へさき)のカーブしたとこや、車のギアの噛み合わせのとことかを作るのは、年季がいるらしいな。
不況のとき、人を、あんまり入れずに、ぼくらの世代が、ずっとやってきたから、それが、すぽっと抜けてしまうんやな。
ざるや鍬(くわ)を作る職人は、ぼくらの親の代で、ほとんどいなくなるらしいけど。

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