拝啓(1)

      2017/04/07

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「拝啓」(1)
この前、郵便局へ行ったら、制服姿の女の子の大きなポスターが貼ってあった。「未来の自分に手紙を書こう」やて。
アンジェラ・アキ(ぼくらの業界では、「アンジェラ・アキ竹城」とゆうているけど)の「手紙~拝啓十五の君へ~」ゆう歌に便乗したんやな。
10代の頃に、大人になった自分に手紙を書いたのを歌にしたそうな。
昔から、「15の春を泣かせない」とかゆう言葉があるけど、中三前後は、精神的、肉体的、社会的にむずかしい年頃や。
誰でも、ぼくが死んだときに流してもらうことにしている「初恋」の歌詞のようなことがあったやろ。
「好きな子と無人島で二人っきりになったら」とゆう「命題」に一日、どきどき、はらはら取りくんだもんや。
そうなったら、なんにもせんわけにはいかんやろ。せやけど、キスをしたら、唇がむけてしまうしな(当時、上級生とキスをしたとゆわれていたクラスの女の子が、中村晃子のように上唇が少しむけていたのは、キスをしたからやとうわさがあった。そんなん生まれつきやろ)。
ぼくは、15のときに、生まれてはじめてラブレターを書いた。あくる日、クラス中のもんが知っていた(どうゆうこっちゃ。ぼくは、生まれてはじめて世の中の理不尽を知った)。
それはともかく、そのポスターを見たとき、今日(きょうび)みんな手紙を書かずにメールやから、切手を買わす魂胆やろ。しかも、早く届けるとゆう至上命令で動いていた郵便局が、株式会社になったから、歌どおり15才に出すと30才に届けてくれるサービスを始めたんやと思うた。
ぼくは新しいビジネスを考える仕事もしているので、「こりゃ、すごいやんか。何でも早くゆうのは時代遅れや。それに、アホの一つおぼえで、何でも民営化したらええゆうもんやない。国鉄で味を占めて、郵便局は株式会社、大学、病院も民営みたいなもん(独立行政法人)になった。 
天下りをなくして、税金を使わないためとかゆうているけど、これは、アメリカの魂胆やとアメリカ人の専門家がゆうている。
郵便局は、郵便貯金が狙われたんやろけど、外国資本に取られたらどうするんや。
大学は、研究施設さえ揃えることができんし、病院は、早う出ていけとせっつくようになった(そうゆう経験がない家族は少ないやろ。もし困っていたら、ぼくに連絡して。そうゆう仕事もしているのでな)。
いつまでもいてもらったら、罰則があるからやけど、そんなんでええんか」
ぼくは、一人熱うなって、知りあいの局員に聞いた。
「そんなんしてまへん。ええのん100個集めて本にするそうでっせ」とゆうことやった。
そうやったんか。まあ、ええわ。それなら、ぼくも書こ。せやけど、来年60やさかい、20年後は80才や。その頃は、おらへんような気がするし、おっても、字ぃ忘れとるやろしな。
よし、15年後の75才に書こ。そう決めたとき、どこからか手紙が来た。

 -