な~んにも悪いことしてへんのに
今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「な~んにも悪いことしてへんのに」
老人施設を回って、入居しているおとしよりの話を聞いたり、介護の様子をチェックする仕事をしているけど、ほとんどのおとしよりがゆうことがある。
「な~んにも悪いことしてへんのに、こんなことになってしもうて」
「せやのに、病気になったうえに、自分の家に帰られへん」とゆうわけや。
その後は人それぞれや。「戦争でえらい目に会うたし、主人の女癖にも耐えてきた。
子供も全部大学を出て、これから楽になると思ていたら、舅、姑がばたばたと倒れた。
舅はおとなしい人やったけど、姑のいけずに泣かされつづけた。それなのに、世話をしてもらうようになると、『あんたは仏さんや』来た。
まあ、それも順番やからとがんばったつもりや。みんな見送って、これからゆっくりさせてもらえると思うていると、こんなこっちゃ。
息子の嫁は看病どころか見舞いにも来ん」となるのがだいたいの流れや。
これは、話の内容からも、おばあさんやけど、おじいさんは、「これがわしの運命やと思うてる」となる。せやけど、「な~んにも・・・」はいっしょや。
みんなご苦労さんでした。誰からも後ろ指をさされん人生を送ってきたのに、最後はこれかいと、神さんや仏さんに、苦情の一つもゆいたくなるのはわかります。
おばあさん、おじいさん、今、一番「な~んにも・・・」と思うている人を取りあげますから、ちょっと聞いてください。
それは、タイガースの選手や監督やろ。
今年は、今までないほど逆転で勝ったし、貯金も30なんぼあった。それで、ジャイアンツとの差も13ゲームになった。
強いだけではあかんけど、東京ドーム、名古屋ドーム、神宮でも、タイガースのファンの方が多かった。
それなのにこんなことになったもうた。「な~んにも・・・」とゆうわけや(ジャイアンツファンに、「うれしいやろ」と聞いたら、「別に。弱いとこに買っただけ。金は、ちゃんと使わんとあかんで」とゆうとったけど)。
タイガースがひっくりかえって、「悪いことになったなあ」と思うているのは、商売人やろ。優勝の経済効果は、関西で4,500億、全国で数千億とかゆわれていたのに、全部パーや。
若手が伸びなかったことやJFKに頼りすぎたことが敗因やろけど、まあ、敗者復活戦(CS)があるから、まだがんばれる。
おばあさん、おじいさん、タイガースの選手・監督は、「ええこととしていたら、ええことをしてもらえる」と思うていたけど、そうはならんかったわけや。
仏教の本には、「見返りを期待する善は、ほんまの善ではない」とか書いてある。
そんなこむずかしいことわかるかいな。世間並みのことをしてどこが悪いとゆうんや。
早め早めに医者にいかんかったことは悪いとしても、早め早めに若手を使わんかったのは悪いとしてもな。
ここで、臨時ニュースが入った。「岡田監督が、責任を取って辞任」やて。
「な~んも悪いことはしてへん」とはゆえんような気がするぼくがゆうのは気が引けるけど(長ったらしいてか)、「な~んにも悪いことをしてへん」人生は、ストレスがないとゆうことや(ストレスは体に悪いからな)。
せやから、病気もここで止まったし、「敗者復活戦」にも出られると思うてください。
家族も、ファンも感謝しているのはまちがいございません。
あとは岡田監督の「首ふりチック」が治まることを願うだけや。