おじさんの話(6)
今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「おじさんの話」(6)
そんなふうにして、ヨーロッパ人は、アフリカや南北アメリカ、南太平洋などを、「早い者勝ち」で取っていった。
インカ、マヤ、アステカという、何千年も前からある国を滅ぼしても、自分たちは、いいことをしていると思っていたようだ。
そういう国では、神を崇(あげ)めるために、人質を捕まえて、生贄(いけにえ)にしていたが、そんなことをするのは野蛮で未開だから、文明を教えるために植民地にしたという論理だ。
SF作家の祖といわれている、フランス人のジュール・ヴェルヌが書いた「海底二万里」という小説は、「ノーチラス号」という潜水艦で、世界中の海を冒険する話だけど、南太平洋にいるのは未開人だし、インドでは黒人の貧乏人だらけといった調子だ。
本人に、「差別意識があったのか」と聞いても、今ふうに「別に」と答えただろう。
おじさんの子供時代には、「アフリカは暗黒大陸」といわれていた。黒人は人食い人種のように教えられていた。
最近、その頃人気があった手塚治虫を人種差別主義者のように言う者がいるようだけど、当時は「アフリカ人やインディアン(アメリカ先住民)は悪」というイメージが世界的に広がっていた(西部劇は、それは基本だった)。
「人間は、自分たちの邪魔をする者は悪と見なす」いうことをおぼえておかなければならないね。そうすれば、それに関係のない者は、「何が悪か、そうでないか」ちゃんとわかるはずだ。
とにかく、おかげで何万年も平和に暮らしていたオーストラリアのアボリジニーや、ニュージーランドにずっと前から住んでいたマオリ族は、どんどん殺されていった。
10年ほど前、オーストラリアに留学していた、おじさんの子供から聞いたんだけど、多少援助されるようになっていたアボリジニーは、「アル中」で道に寝ていた者も多かったようだ(中には、ホテルのショーに出て優雅に暮らしている者もいるらしいが)。
また、ちょっと田舎に行けば、バスの席が空いていても、日本人とわかると横にすわらせない白人のおばあさんもいた(「オーストラリアは、白豪主義を取っていて、黄色人種を移民させません」と教科書に書いてあったとおりだ。もっとも、今は、中国人、韓国人であふれているけど)。
アメリカの先住民も、「リザーベーション」という場所に閉じこめられている。保護と称しているけど、少しだけ山野を与えられて暮らしているから、おもしろくないだろう。
人間は、「衣食住」だけでは、生きる力は生まれないのだ。
「海底二万里」は、太平洋の日本近海から、物語がはじまっているけど、日本は鎖国していたから、日本のことはわからなかったようだ。
もし日本の漁民を見ることがあったら、白人と黒人の間の中途半端な人種と書いていただろうね。
また、日本に、ヨーロッパ人が移民してきていたら、混血が進んで、みんな岡田真澄や鰐淵晴子のような顔になっていたかもしれない。ちょっと古すぎと思うなら、日ハムのダルビッシュやリア・ディゾンならどう?(リア・ディゾンは、日本人の血が入っていないか)。
あんな顔なら、毎日が楽しいかもしれないね。気分がよくなったとこで、ハワイも、日本だったかもしれないという話へ。