安売り

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復活ノート

「安売り」
人間には、「見栄っぱり」(「世間体」の最上級か)というものがあって、それがたたって、身を滅ぼすことがあります。
こういう人間は、裕福な家に生まれた者より、貧乏を負い目にしてきた者に多いように思います。
私も、事業が軌道に乗ると、車のほうに向かいました。ベンツ以外、特に旗艦(カー雑誌でよく使われていた言葉)となるベンツ以外は車ではないと考えるようになりました。
本人は得意げでも、取引先や従業員は冷ややかに見ていたことでしょう(私の場合は家族も)。
自分は、ゴルフも、ギャンブルも、あっちもしないのだからと自分に言いわけしても、世間はそう見てくれないのです。
だから、会社が破綻したときは、「ああ、やっぱり」と思われたことでしょう。
そして、今20年落ちの赤いマーチに乗っていますが、それでも車検は高いです。12万円は、「特別支給の老齢厚生年金」受給者である私の財政を破綻させました。
8月からは満額の年金が受けとれますが、「車の経費を落とさなくては」と思いました。
さて、車検の時にダイハツのミライースを借りましたが、燃費もそうでしょうが、広さにも驚きました。
また、スタッフが、それで神戸に行ったのですが、六甲山も、CMどおり、「べた踏み」しなかったそうですから変わったものです。ひょっとして、この10年で一番進歩したのは、「軽」かもしれません。
会社の前には、透析専門病院のスタッフ駐車場がありますが、14、5台の車のほとんどが「軽」なのもわかりました。
しかし、「軽」と言えども、100万円以上するので、今の私には無理です(カーリースも、走行距離の制限があるようなので得策ではありません)。
自分の車についてはゆっくり考えるとしても、見栄っぱりの人間は別にして、大方の人にとっては、自分のもとめるものと経費との妥協を見つけるというのが消費生活の土台です。
スマホにも、料金を安くするという潮流が出てきたのも、そういうことで、スマホというものが、売る方にも、買う方にもわかってきたからでしょう。
「景気がよくなったでしょう」、「給料が上がったでしょう」と喧伝(けんでん)する者が約一名いますが、実感する人は少ないように思います。なぜなら、65才以上が、今や人口の4分の1になりましたが、今度、3分の1、2分の1に向かうのですから。
つまり、滞りなく払ってもらえるのかどうかはともかく、年金生活者がほとんどの占める社会になるのです。
「ビジネスとして安売りは続かない」と言ってきましたが、そういう意味でなら、どの分野のビジネスでも、「シンプルなものを安く売る」というスタンスの専門家になることです。
車もお願いします。