Uターン

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復活ノート

「Uターン」
たいていの者にとって、車の運転は快適なものです。しかも、地方に住んでいれば、車がないと生活できません。
私の知っている主婦は、車の運転をせざるをえないときは、特に苦手な右折を避けて、左折を通して目的地まで行き、また左折で自宅に帰ります。
また、車と車の間に駐車できないという人もいます。
しかし、車の運転は、自分スーパーマンになったような気持ちにさせます。
「ハンドルを握ると、人が変わる」といわれるのも、それが過剰になって、自分をコントロールできなくなっている状態をいうのでしょうか。
私は、今、ベッドタウンといわれる地方都市で活動していますので、広間などは、半分以上が女性のようです。
中には、ゆっくり走っている車をあおっている女性もいます。車内では、「てめー、早く走れ」などと叫んでいるのかもしれません。
勘ちがいしているスーパーマンが右往左往しているのですから、事故も起きるというものです。
大きな事故が起きるのは、「魔物が住んでいる」といわれる交差点ですから、みんな注意しますが、コンビニなどから道に入るときは気を使いますね。すぐに流れに入るのでしたらいいのですが、向こうの車線に入るのは、タイミングが必要です。
私などは、2,3分行けなければ(そして、後ろに車が待っているときは)、まず、行きたい車線の反対の(つまり手前の)車線に入って、どこかでUターンすることもあります。
運転のリズムが崩れないし、後ろの車をいらいらさせないし、事故の危険性も少ないしと、いいことが多いと思うのですが(難点は、禁止されていたり、道が狭かったりして時間がかかることですが)、そこまで卑屈になる必要はないとばかりに、絶対そういうことをしない人もいます。
さて、私たちの現状も、Uターンをしているときのように思えます。
前に大きな岩が立ちふさがっているのか、あるいは、道がなくなってしまったのか、
何らかの理由で、進めなくなりました。
すぐに新しい道が見つかればいいのですが、そういうわけには行かず、まず引きかえすことにしました。
そして、道をもどりつつ、どこかの幹線に行く小道はないか、あるいは、あの岩の後ろに回りこめる道はないかと探しているのです。
一番まずいのは、「もどらなければ、ずっと先に行けていたのに」と後悔することです。
今、もどっていて、またUターンしたときに広がっているのは見慣れた風景ではないですか。
実際、初めての道は遠くに感じても、2,3回通れば、近くに感じるはずです。
しかも、こんな店があったのか、あんな神社があったのかと風景を楽しむことさえできます。
世の中には、Lターン、Mターン、Nターン、Iターンなどがあるようですが、もどらざるをえないときは、絶対に気弱にならず、風景をしっかり見ましょう。