少し立ちどまって

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復活ノート

「少し立ちどまって」
以前、戦国武将でも、毎日鎧兜を着て、「いざ出陣」という生活をしていたわけではないと言いました。
それらについて、もう一度ふれたいと思います。
あなたは、「24時間仕事のことばかり考えている」などと言っていませんか。
私も、そのようなことを言っていましたし、日曜日も仕事をしていました。
自分が創業した事業がおもしろい、あるいは、資金繰りが苦しいから、遊ぶ暇があったら仕事をするということもあるでしょうが、今考えれば、新しい世界、新しい知識を直接知ることがない貧しい生活をしていたことになります。
もっと言えば、自分から逃げていたということになります。
今なら、そのようなことを自慢する人を信用するなと忠告したいぐらいです。
人生も事業も(どんな事業するかも)、自分が納得できるかどうかにかかっています。
それをおろそかにして、目の前のものにかかりっきりでは、いつかほころびが出てくるような気がするのです(特に経営危機に襲われたようなときに)。
たとえ守銭奴といわれようと、「お金を貯める」ことが、ほんとに自分の生きがいと納得できていれば、いい人生だったのではないでしょうか。
「クリスマスキャロル」のスクルージは、精霊に、昔の自分や将来の自分を見せられて、「ロンドン一」の寄付をする人間になりさがってしまいました!
なんと情けない人間だと思う人もいるかもしれませんが、そういう意味では、スクルージは、もともと守銭奴ではなかったのです。
実在の人間もいます。思いだす人もいるでしょうが、バブル時のある地上げ屋です。
最初は羽振りがよかったのですが、何かの事件で指名手配されたあと、ピストルをもって民家に入り、パンを取ったというのです(最後はピストル自殺をしました)。
その後の捜査で、地上げ屋をしているときから、養護施設などに、匿名で多額の寄付をしていたのです。この人も、自分を納得させていなかったのかもしれません。
小沢一郎はどうでしょうか。田中角栄、金丸信と同じように、企業から金をくすねては、不動産に変えています(金塊はどうかわかりませんが)。
秘書が逮捕されるという前代未聞の辱めを受けたのだから、検察と対決するとのことです。「不動産が命より大事」という信念に基づいているのならいいのですが、ある評論家が言っていたように、「子供のけんか」なら、大事な人生を棒に振ってしまいます。
私たちも、こんな情勢ですが、いや、こんな情勢だからこそ、「仕事をしない」時間を大事にして、自分が納得できる人生を進んでください。
事業は、あなたの人生のほんの一部なのですから。