
信用
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復活ノート
「信用」
営業で使っている車の調子が悪くなり、中古の自動車でもと考えたのですが、30万円の一括支払いがちょっとしんどいのです。
それで、オートローンを調べました。65才の年齢制限はクリアしても、年収300万円の条件が満たせないのであきらめざるをえません。
サラ金などが年収の3分の1しか貸せなくなって、消費者のほうが困っていると報道されています(「街金」といわれる無許可の業者が、督促をソフトにする方針で張りきっているそうです)。
そのためか、最近、クレジットを利用した高利貸しが問題になっています。
おもちゃの指輪を高額で買ったようにして、1割を引いた金額を消費者に送金するというのです。
消費者からいえば、10万円で買うなら、とりあえず9万円が手元に入ります。
家賃をすぐに払わなければならない人にはうれしいでしょう(家賃が遅れたばっかりに家財道具を放りだされることもあるようですから)。
当然のことながら、後日、その人には、クレジット会社から10万円の請求が来ます。
世の中、数字だけで判断されるのは仕方がない部分もあるでしょうが、法律が、懸命に生きている人の足を引っぱることもあるようです(別に、以前のように野放図に貸せと言っているのはありませんが)。
通販が認知されるようになり、その売りあげが4兆円以上あるということです。
私も、最近よく利用します(送料のほうが高いぐらいの中古本はよく買いますが、今月はプレゼントに使うものをたくさん買ったのでしばらく自重します)。
20年ほど前に、「サイバー」とか「ネット」という言葉が聞こえてくるようになりましたがよくわかりませんでした。
当時、集金で走りまわっていましたので、どこのだれかわからない者にものを売って、代金が回収できるのかと冷ややかに見ていましたが、こういう時代になりました。
企業だけでなく、消費者も、経済的信用を大事なものと考えるようになったからでしょうが、元々、買ったものの代金は払わなければならないという普通の常識は誰でも持っているのです。
さて、調子の悪い車は修理して乗るつもりですが、収入も、担保もありませんが、「月5万円払います」という言葉を信用してくれる中古車業者がいれば、新しい(?)中古車を買うつもりです。
太宰治に「走れメロス」という短編があります。教科書に載っているそうですが、友人との約束を果たすために懸命に走るという物語です。
年を取るほど、走る力どころか歩く力も衰えてきますが、信頼を裏切りたくないという気持ちは高まるものです。人生で大事なものは何かということがわかってくるからです。
しかし、振込み詐欺、食品詐欺、もっと広く言ったら海外での生産も、まず自分のことだけを考える風潮のあらわれじゃないですか。
私たちも、自分がしでかしたことの結果ですが、社会的な信用を失くしたことがあります。
もし復活されたら、わずかなことでもかまいませんから、「口約束」だけで相手を信用するものを考えてくれませんか。
私たちも、「口約束」で、ここまでやってこられたこともあるはずですから。