オンリーワン

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復活ノート

「オンリーワン」
蓮肪大臣が、事業仕分けで言った「1番ではいけないのですか、2番じゃだめなんですか」というセリフが話題になりました(今年の「流行語大賞」に入るかと思いましたが、そんなことでは、中国に取られたGDP2位を取り戻すことができないと、どこからか横槍が入ったかもしれません)。
「はやぶさ」が、7年の旅を終えて帰ってきたこともあり、科学者から猛反撃を食らいました。
しかも、ノーベル賞受賞者が顔を揃えて、「何を言っているんだ。1番ではだめなんだ。この素人が!」とたいへんな剣幕です。
確かに2番では特許も商標登録も取れません。もちろんノーベル賞どころか、イグノーベル賞も取れないでしょう。
スポーツでも、2位、3位、あるいは銀メダル、銅メダルで、涙を流して悔しがる選手がいます。
何の能力もない者に取っては、2番もすごいし、3番でもフツーの人間にできないことだと思うのですが、一番になる努力が、科学やスポーツを高めてきたのでしょう。
先日、カシオのデジカメの広告が新聞に3ページ分載っているのを見て、とてもうれしくなりました。
年内に、最近安くなったデジカメを買おうと予定していますが、これで、さらに安くなると思ったからです(なにしろケータイのカメラで焦点を合わすことができません)。
商品でも、店舗でも、「全国1位」、「地域1位」をめざして争っているのは、消費者にとっては、よいものを、安く手に入るチャンスです(「全社上げて」の争いに負けて倒産をすることになっても)。
私は、若い頃「あなたは、自分の会社を、ナンバーワンにしたいか、オンリーワンにしたいか」と聞かれることがありましたが、「オンリーワン?そんな負け犬根性では事業はできませんよ」と答えた記憶があります。
それが、事業を途中でやめざるをえなくなった理由かもしれないと思う毎日です。
当時、保育サービスや介護サービスは自分が開拓したので、真似をするやつは許せない、全国に支社を作って全部つぶしてやるなどと考えたものですから、資金が続かなくなったのです。
今、復活をめざして、自分なりに努力をしている最中ですが、自分の失敗を通じて、ナンバーワンとオンリーワンとは対峙するものではないということがわかりました。
たとえ、あなたの社会が、世間から2番手、3番手に思われていても、オンリーワンを追求するかぎりファンはついてきます(「ナンバーワンだ」と天狗になっている会社がおかしくなっても)。もちろん人間性そのものも言えると思います。