ニッチ

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復活ノート

「ニッチ」
復活をめざしているご同輩、今年一年はどうでしたか。
はかばかしくなかったと思う人も、時間が解決してくれるものがあるはずと信じて、新たな年を迎えましょう。
もちろん、ぐっと前に進んだ一年だった人には、更なる飛躍を期待するものです。
さて、私は、復活方法の一つとして、現在隆盛を極めているビジネスのニッチ(すきま)を探すことを進めています(だれもしたことのないビジネスをはじめるのには危険が多いものです)。
急成長のビジネスは、組織ができあがっていないうえに、人材も不足しています。
だから、小さなクレームなどにかまっておられないので、消費者の不満はたまっています。
それをひろいあげるのが、ニッチを探す第一歩です。
また、下火になったビジネスにも、なぜそうなったのか、もう需要がないのかを考えるべきです。
そのビジネスに挑戦するとなれば、前任者の失敗をしないというだけで、膨大なお金と時間の節約になります。しかも、消費者は、それが、どんなビジネスかおぼえています。
さて、今年は、偽装が社会的に問題になりました。豚肉を牛肉と表示することは商道徳に背くでしょうが(また、そのままでは、だれにでもわかるでしょう)、賞味期限の件は気の毒な点もあるような気がします。誰一人腹痛を起こした人はいません。しかも、みんなおいしい、おいしいと食べたそうですから。
それに味を占めて、いつしか「あり地獄」に落ちた経営者が悪いのはもちろんですが。
それはともかく、地名度がある企業が、自分のプライドを捨ててでも、偽装に走るのは、台所事情が逼迫しているからしょう。
売上げが増えないのなら、原価を落すしかないからです。「老舗の質」を犠牲にしてでも、社員の給与をちゃんと払いたいという経営者の苦悩の表れと思いたいものです。
そこで、今年の混乱ぶりを見ていますと、ニッチは、大企業の小回りの聞かない場所からだけでなく、そのビジネスの存在価値のなかにもあるようです。
スーパーの存在価値、介護サービスの存在価値、散髪屋の存在価値などを見て、自分が取り組んでいるビジネスの存在価値を確認するのです。存在価値とは、消費者がお金を払ってくれる理由です。
そうすることによって、自分が見落としていたことに気がつきます。また、差別化を図ることもできます。
材料や賞味期限をごまかしているなどと騒ぎたてるのは、役人やマスコミに任せておいたらいいのです。
私たちは、偽装問題の本質は、その企業の経営者が、存在価値を見失った結果ととらえ、自分のビジネスに生かすようにしましょう。
来年も、お互いの復活のためにがんばります。いいお年を。