言葉の力

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復活ノート

「言葉の力」
知りあいの介護ヘルパーが何か言っています。聞けば、ファックスで送られてきた予定表に、「ご苦労様」の一言も書いていないとのことです。「人使いがへたや」と言っていたのです(確かに、大きなスペースが残っているのに、何も書かれていません。いつもなら、何か書いてあるそうです)。
それを取りまとめたのは上司ですが、職場の人間関係は険悪で、日頃の不満が何かにつけて出てくるのです。
介護施設のことは、組織の体(てい)をなしていない組織が多いと何回も言ってきましたが、どうも人間関係がうまく機能していないようです。
24時間体制ですから、直接話をすることができにくいこともあるかと思いますが、それなら、普通の会社以上に、相手が納得するような配慮があれば、こんなふうにならないと思えます(私は部外者ですので、事情は詳しくしりませんが)。
人間関係の欠如は、介護関係だけでなく、どんな組織でもあると思いますが、これからはさらに増えるかもしれません。
いわゆるSNSといわれるラインやフェイスブックなどが日常生活に入りこんでいますが、これで、「友だちができた」、「社会とつながっている」と思うのは少しちがうような気がします。
SNSでのいじめなどをよく耳にしますが、それも相手が見えないので、加害者だけでなく、被害者の心に「妄想」が芽生えて、それでにっちもさっちもいかなくなってしまうのです。
これが、実際の組織に入りこんでいるのです。直接顔を見て話したら、相手の話し方も表情で、「ほんとにいやがっているのだな」とか「遠慮しているだけだ」とかはっきり分かるのです。
SMSで、強引に何かを進めたら、相手は、あなたを避けるようになるかもしれません。
それが詩的な交友関係ならまだしも、職場などでは、逃げ場がなく、とげとげしい空気が生まれてしまうのです。
しかし、言葉には、元々一言で人間同士を結びつける力があります。それを身につけることほどすばらしいことはありません。
とは言っても、肝心の私たちは、SMS的言葉で、自分の会社や社員をないがしろにしてきたのです。
まず私たちが、言葉の力を学ばなけれればなりません。でも、言葉はその人間の性格が出るじゃないかと言われるかもしれません。
性格なんてどうでもいいのです。とにかく、こんなときはどう言う、あんなときはどう声をかかるかを、100でも、500でも、1000でもの例で訓練するのです。そうれば、性格が後からついてきます。これがうまくいけば、社員にも受けさせます。
ほとんどの人間が、自分ほどよく気がつくものはいないと思っているはずです(人間関係が苦手でもそうでなくても)。それをうまく使えば、むずかしいことではありません。
さて、その教室はどこに?