緊急アドバイス
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復活ノート
「緊急アドバイス」
「ちょっと早い暑中見舞い」で言いましたように、コムスンのように、社会の中で波紋を引き起こす企業が後を立ちません。
今度は、ミートホープという次第です(私自身も、人に問われれば「社会の役に立つ」と答えていましたが、自分がすることは、社会に左右されるものではないと思っていたかもしれません。なぜなら、「社会が家賃や給与を払ってくれるか」という思いが、どこかにあったのでしょう)。
コムスンの場合は、私が、同業をしていたのでわかりますが、時間単価が決まっているので、後は、事業規模を大きくするのが、競争に勝てると思ったのでしょう(私もそうでしたが)。
しかし、普通の会社経営とちがって、法律の規制があるから(資格のあるスタッフの数など)、スケールメリットは生かせないのが破綻の原因だと指摘しました。
ミートホープの場合は、他社との競争です。しかも、右肩上がりの売上げ、利益の増加も図らなければならない。
しかも、戦後すぐなら、牛肉など高いから、うさぎでも、ねずみでもよかったのですが、社長が言っていたように、社会が変わっていたのです。「発想力」の使い方がまちがっていたのですね。
ダイエー創業者の中内功氏が、晩年、「スーパーは、実演販売などすべきではない」と言って、本場のアメリカに見に行くと、どこも実演販売をやっていたという話に似ています。
その上、同業他社が増えて、価格競争への対応が、経営を左右します。
それに打ち勝つために、妙なことを考えることもあります。
料金設定に無理をすると、人件費をどう落すか、あるいは材料費をどう減らすかどちらかです。
いくら高くても、顧客がついてくるものを持っていればいいのですが、大手メーカーなどは、新しいブランドを作って、低価格を好む顧客を取り込むようにしています。
そんなことができない私たちは、サービスやポイント制度などの工夫をせざるをえません。
それもうまくいかなければ、「禁断の道」に踏み込むことになるのです。
金を持った経営者は、さらに持ちたくなる傾向があるようですが(現状を変えたくないという気持ちは、どの経営者にもありますが)、それが、さらに拍車をかけるのです。
私たちは、失敗した経営者から学ぶべきです。まず採算を度外視した料金設定は、絶対に止めるべきです。そこに踏みとどまって考えることが大事です。
次は、必ず内部告発が起きます。これは、社会正義として認められていますが、誤解を恐れずいえば、嫉妬などの複雑な要因があります。そうでなかったら、なぜ、30年も、40年も同じことが繰り返されているのに、今までなかったのでしょうか。
それについては、また。
とにかく、会社経営とは、人を使うこともであります。