決断

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復活ノート

「決断」
先日、私が活動をしているベッドタウンのJR駅前にある商店街を歩きました。
全国の地方都市にある商店街同様にシャッター街になっているのは、以前から知っていましたが、横道にあるスナック通りの店にも、不動産屋が、「管理物件」や「すぐ始められます」などの張り紙をしていました。
ここのスナック通りで飲んだことがありませんが、客は、サラリーマンより地元のおとしよりが多いと聞いたことがあります。
ベッドタウンに家を購入したサラリーマンは、小遣いのことはともかく、奥さんに車で迎えにきてもらわなければならないので、「ちょっと一杯」というわけにはいかないのでしょう(それに、このあたりでは小金を持っているおとしよりが多いですから)。
そのスナック通りを歩きながら、世間では、「もうちょっと」、「もうちょっと」と辛抱していても、同業他社が廃業すると聞いて、緊張の糸が切れた経営者が多いのでないかと思いました。
もう1回「もうちょっと」辛抱すれば、なんとかなったかもわかりませんし、2回の「もうちょっと」で、深手を負わずにすんだかもわかりません。そこが、むずかしい決断ですね。
私も、30年間やってきた事業をやめると決心したとき、弁護士から、「ここまで続けられたのだから、もう少し考えたら」と忠告されましたが、なにくそという気持ちがなくなったのです。
私の場合は、ある不祥事を起し、2000万円近く弁償をするようになったのですが、マスコミに報道されると、取引停止が相次ぎ、もうここまでと思ってしまったのです。
今考えれば、弁償金の2000万円ぐらいは持っていましたので、それを払って事業を続ける道もあったということです。
実際は「会社の破産」という道を選んだのですが、弁償金は、債権の割合で少なくなったのですが(それは、私の仕事ではなく、破産管財人が払ったのですが)、自己破産をしなかったので、保証協会へは5000万円返済しました。
確かに経営は苦しいでしょうが、こんな事業はしたくないというのなら仕方がないしょうが、もう一度身軽になってからと思うのなら、損得のシミュレーションをしてください。
しばらくは「針のむしろ」にすわる覚悟がいりますが、大丈夫、世間の悪評も2、3年で薄れます(もちろん自分は痛い思いから多くのことを学ぶことが大事ですが)。
それと、ちがう事業と考えていても、結局自分がならいおぼえた事業に戻る人が多いということも言っておきます。
「継続か廃業か」だけでなく、第三の道はないのかと探ることも大事です。
あなたの全エネルギーをかけてきた事業は、あなたにとってかけがえのないものです。
そこには、夢と希望がつまっているはずです。
甘えを許さない状況になっているかと思いますが、悔いの決断をしてください。
私は、長くやってきた事業を別の角度から見た事業をはじめています。