インディーズサービス

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復活ノート

「インディーズサービス」
以前、お年寄りの「伝記サービス」について提案したことがあります。
テレビで、アメリカのドキュメントをやっていました。夫に先立たれ、自分もガンで余命いくばくもないおとしよりの人生を、ある女性の放送記者が、残っている写真や8ミリで「アルバム」にして、子供や孫たちに見せるというものでした。
夫は、海軍士官でしたので、単身で世界を回ることが多く、二人で暮らした香港生活が、一番の思い出だということでした。
そのおとしよりは、自分のことを伝えたという満足した気持ちで、はればれした笑顔でした。
それを見た直後、老人施設に入居している、ある女性(85才でした)から、「これを読んで」と渡されたものがあります。そこには、「おしん」さながらの人生がありました。
娘さんの話では、5,6年かかって書いたということです。
どんな人でも、「思いの丈(たけ)」をしゃべりたいという気持ちがあるような気がします。特に、「我慢することが美徳である」と教えられてきた女性のほうが、その気持ちが強いように思います。
そこで、その人に合った方法で(かなり文章ができている場合もあるでしょうし、聞き書きをしなければならない場合もあるでしょう)、人生を記録するサービスです。
しかし、このサービスは、文章が書けるだけでなく、心を開かせる人間性が必要です。
そのサービスは、今求められているということでした。
そして、その後です。私も、自費出版をしたことがあります。
5000冊を何百万円という費用で作るわけですが、回収はほとんどできません。
事業をしている場合は、宣伝用と納得できますが、個人の場合は、友だちや知りあいにしぶしぶ受取ってもらうのがふつうです。出版社も、広告を一回程度だしてくれるのが関の山です。
本人は、それを読んでほしいのです。それで、そういう本を専門にしたサービスはどうですか。インディーズホールです。
そこには、名もなき人々の人生が並んでいます。もちろん自己満足に終始した内容もあるでしょうが、懸命に生きた記録に感銘を受けることがあると思います。
それぞれの内容を書いたほうがいいでしょうね。もちろんネットで更改もします。
また、本だけでなく、音楽CDなども扱うべきです。できるなら、映画も上映できるほうがいいです。
今の映画製作は、企業から金を集めるしか方法がないのですから、どこも危険を冒しません。新藤兼人監督も、20億円が集まらないから、映画が作れないと嘆いています(カンヌ映画祭などは、ようするに商談会なのでしょう?)
これから、コンピュータを主流とした媒体が増えるでしょうから、自分の気に入った媒体で、自分を表現する人が増えます。
このホールは、まだ商品にならないレベルでも、才能を見つける場と位置づけるのです。
その受け皿は、大きなビジネスになることでしょう。