グローバルの流れ

   { }

復活ノート

「グローバルの流れ」
私たち中小企業経営者は、事業が伸びてくると、もっと規模を大きくしたい。あれもしたいが、これはどうかなどと楽しい夢を見るものです。
私がそうであったように、単に流行しているものに目が眩んだだけなら、それ悪夢になり、やがて経営の足を引っ張りだします。
経営の相談を受けるときは、それはよく考えたことですかと聞くことにしています。そして、介護保険ができたときのことを話します。政府が、介護事業は20世紀最後の国家プロジェクトだ。みんなこの事業に参加せよと大騒ぎでした。その手先になったのが、マスコミであり、証券会社、経済研究所でした。つまり、介護事業は、高齢化社会にとってどうしても必要なものものであり、その市場は・・・などというのです。
口車に乗ったというのはちょっと言いすぎですが、15,6年でまさかこんなことになるとは誰も予想していませんでした(経営が成りたたず、また介護従事者は薄給であえいでいます)。
経営者にとって、現在は、当時より複雑な世界になっていますから、一つまちがうと回復するのにも時間がかかります(昔は、まず大企業の回復し、それから、中小企業という順番でしたが、それも、一概に言えなくなってきました)。
シャープやパナソニックが少しずつ危機を脱しようとしているのに(社員の解雇で)、知名度はそれ以上のソニーは苦しんでいるようです。
冷蔵庫や洗濯機などの白物家電がないソニーは、代名詞のテレビに力を入れざるをえないのですが(バイオ部門なども売却するそうですが)、それさえ、中国や韓国の製品が同じ性能で安いとなれば、世界の消費者がどう動くかは自明のことです(世界をリードする「4Kテレビ」は中古車以上します)。
コンピュータゲームの代名詞となったニンテンドーも、「ゲームはわざわざ買うものではない」という世界的潮流に勝てそうにありません(今後は、健康ビジネスに参入するそうです)。
マクドナルドは、敗因をコンビニに対抗できる新製品がなかったためと言われていますが、私はそうではないと思います。
週刊誌では、以前より健康を害する食材を使っていると書かれていますし、アメリカのPTAなどは、ハエもたからないマクドを、子供に食べさせないという運動さえあると聞きます。
世界的企業という大型船の舵を切るのはたいへんでしょうが、私たちには関係ないとは言えません。
グローバル化は、世界に出ていく、世界に輸出するだけの企業のものだけではありません。
たとえば、京都では、修学旅行生さえ泊まらない旅館に外人が詰めかけていると言います。
また、西成では昔から有名な簡易宿泊施設も外人に人気があると聞きました(昔ように1泊500円などではないでしょうが)。
企業の規模とか商品・サービスに関係ないのです。流行に左右されず、ローバル化の流れとその行き先、また底にあるものを見極めれば、今ほどおもしろい時代はないのです。
なにしろ、私たちも、外国為替で一つで値段が変わるものを買わされるコスモポリタンなのですから。