踏ん張りどころ

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復活ノート

「踏んばりどころ」
どんどん金を集めたいが、危険はかぶりたくないというのは誰でも考えることです。
金融のプロたちは、金融工学を駆使して、金融派生商品(デリバティブ)や証券化商品などというものを開発してきました。
要するに住宅ローン債権などを再分化したり、他のものとくっつけたりするようです。
しかし、どんなに大きな木でも、幹が腐ると、いつか枝も葉も朽ちてしまうのは世の習いです。
使っても減らないといわれていた「円天」も、新しい会員をつかまえないといつか焦げつくようなものです。
アメリカの経済危機が世界中に広がり、損失がいくらなのかわからないのも、そういう理由からなのでしょう。
アメリカの金融機関を助ける「金融法案」も、トップが55億円のボーナスをもらっているような銀行を税金で助ける必要などないと反対されていても、国ために、国民のためのいう名目で採決されるでしょうが、日本の片隅でがんばっている私たちはどうなるのでしょうか。
アメリカの経済が冷えこむと、車や大型テレビなどの輸出が減り、当然日本の経済は大きな影響を受けます。
弱小会社には、銀行も相手にしてくれなくなるでしょう。また、取引先の破産で未収も出てくるでしょう。
低迷が長引くと、「どうせ何をやっても」という気持ちになりがちです。
あるいは、世間の流れに安易に乗ってしまいます。
大企業は、バブルの後の不況のように副業に走ります。鉄鋼などの大企業が、うなぎ、すっぽん、豚などの養殖をしましたし、ミミズを扱ったこともあります(先日、鹿児島に行きましたが、公共事業の受注が少なくなった建設会社の会社員が、農作業に精を出していました)。
どこでもやっているような副業に飛びついて、苦境を脱することができますか。
私は、売上げが低迷しているところに、「法令順守」のことで事業の一部が続けられなく、破産を申したてました。
自分の会社の保証人になったために(誰でもそうしているでしょうが)、銀行や保証協会には私財で5000万円を返しました。
今考えると、縮小してでも事業を続けておれば、一切合財なくなるということはなかったように思います。
その間に、社会をよく見て、得意の分野をさらに特化した商品・サービスを作ることができたかもしれません。
社員には、事情を説明して給与の分割でもできたはずです(破産しても、給与は1年間出ないのですから)。
しかし、私自身は、何もかも失って、自分がやりたいことを見つけることができたのですから、何が幸いするかもしれませんが、今振りかえると、ここが「踏んばりどころ」だったと思います。
後で後悔しないように、「血迷うな、逃げるな、早まるな」と、自分に言いきかせてください。
今、自分の最高の集中力が出ているはずです。ご連絡くださったら、いっしょに考えます。